夢 | ナノ





一時間目から嫌いな体育だった。運動は得意な方だけどきびきび動かなきゃいけないのが嫌い。サボりたいけど今日実技試験あるからサボれない。
しゃーない出るか。


諦めてロッカーの中を覗くとそこにはジャージはなく、乱雑に詰められた教科書しかなかった。


「やっべ、ジャージ忘れた」


そうだ、洗濯するために持ち帰ったんだ!!人がせっかくやる気を出したのに…!!バドミントンぐらいだったら制服で受けるけど今日はバスケだし…!あー今日は授業変更で他のクラス体育ないよ

「どーしよ!!」


あー最高に落ちる。もう体育消滅しろ!!


「ん」

「え?」

「ん!」

なんか仁王がジャージを差し出してきた。
ん!ってお前はトトロのカンタかよ

「言葉喋れ」

ぱしんっ

「痛い…」

「わかったから何。それあんたのでしょ」

「貸しちゃる」

「え、あんたどうすんの」

俺は大丈夫って言って足早に更衣室へと走ってった。
まーこれで授業受けられるからいいいか。



次の日、洗濯をしてちゃんと畳んで、
好きなブランドのショップ袋に入れて返した。

「なまえちゃんも女の子なんじゃな」

ぱしんっ

「また頭はたいたー!!」

「今度はかち割ってやろうか!!」