夢 | ナノ



「ねぇなまえ、ここの三日間は暇?」


スケジュール表を指さす幸村

もう八月の半ばに入りあと少しで後期が始まる。


「20から23?バイトなかったら暇だけど、なんで?」

「うん、この日から合宿兼ねて高校からのやつらと旅行に行こうと思って。」



一緒に行かない?と首をかしげる。
なんでテニス部じゃないあたしが…と思ったけど
よく考えてみたらそっか、合宿兼ねてとか理由もなかったらあたし、断るからか。


そうだよね、前も親がとか理由つけて断って旅行とか行ったことないから幸村なりの配慮と作戦だろうな。



でもなー
ほんとにあたしテニス部と直接関係あるわけでないからちょっと悪いな。



「行こうよなまえ。テニス部のやつらも最近なまえに会えないからさみしがってたよ」

「んーそういえば暇だから遊びに行ったのが最後だっけ。」

「あぁ、でもそれも結構前じゃない?仁王が脱走した日だろ?」


喉で笑う幸村。
ああ、あの日の弦一郎の怒りようと言ったらすごかったもんね…
それにぶち切れて追いかけたはいーけど
弦一郎の好きな女の子とぶつかって興奮で鼻血出たんだっけ。
爆笑しながら写メ撮る幸村と赤也と丸井、あわてるジャッカルと柳生くんと冷静にデータをとる柳…ってなかなかカオスだったなあ



「そう考えると仁王とは結構会ってないんじゃない?」

「……二か月近く会ってないかも。」


そんなに?と目を丸くしてじゃあなおさら来ないとダメだね、と言うと
あ、旅費は部費から出るから心配しないでとあっという間に丸めこまれた。


まあ良いけどさ…いいのか?


なんだかんだ言ってちょっと楽しみになってきたけど。
あぁ、仁王元気かな