夢 | ナノ


「もう少しでテストだねー」

「あーめんどくさ!!高校と違って追試あるしね!」

「はーあたし全部落としそう…なまえは余裕そうだね…」


帰り、今日は幸村が遅くまでミーティングがあるみたいで久々に女友達と帰ることになってガールズトークみたいなのを満喫してる。
高校の時もしなかったわけじゃないけど後半は仁王とばっかり絡んでたからすごい久しぶりに感じる。


「や…あたし数学結構やばい…」


他の教科はそれなりに理解してるし、サークル(遊びでバドミントンに入った)の先輩に
「高校より緩いよ、選択が多いから運で結構いけるし。」と言われたからそれなりに自信はあるけど…

「まー高校よりは緩いらしいし?なまえ高校後半かなり点数上がってたから大丈夫でしょ!」

「あ、そうだ!あんなにできなかったなまえが急に上がったもんね!」

「数学壊滅的だったのにね〜どうしたのさ〜」


おい後半結構ズタボロに言ってんな。
でも思ったら仁王に教えてもらってからかなり上がったな。
前なら行っても50点とかだったのに三年になってからは60点をきることがなかった。
というか80点越えしてた。
まあー復習ってもあるし、テスト三回しかなかったか。

「…仁王に教えてもらってたからなー」

そう言うとみんな口をぽかんとあけてこっちを見ていた。
え、なんかおかしいこと言った?


「え、仁王くんて…あの仁王雅治くん?」

「いやいやいや、確かに二人仲良かったけどあのクールな仁王くん?」

「なまえ…夢見てんじゃない?」


最後はまあー気にしないとして、仁王がクール?
待てよお前ら現実見ろ。
あたしの前ではもの凄い忠犬だぞ。

「でも仁王くんが勉強教えてくれるって幸村くんヤキモチ妬かないの〜?普通嫌がらない?」

「あー…あ、でも幸村くん大人だし!そこら辺は別にって感じっぽい!」

「わかる!!!喧嘩しても幸村くんから「俺が悪かったよ」とかね!ギャー!!」



けん、か。

喧嘩かあ、そう言えば幸村と付き合って八カ月たったけど喧嘩というものをしたことがないなあ。
大学生だし?それなりの付き合いっていうものはしたけど…
幸村が忙しくてなかなか遊べないっていうのはある。
でも一緒に帰ったりお弁当を食べたりしてるから一緒にいる時間はそれなりに長い。

何でしたことないんだろ、別にしたいってわけじゃないけど。


「喧嘩はー…したことないね。」

「やっぱり!!大人な付き合いって感じでいいじゃん!」

「うんうん、憧れる!」

「後で怖そうだけどね!」



あ、そっか。何かあっても怖いから口出しできないのか。