夢 | ナノ






「なまえちゃん、明後日の日曜暇?」

昼休み、弁当を食べ終えその満腹感とあたたかい日差しに眠気を誘われて机に突っ伏してたら丸井と話してたはずの仁王があたしの肩を激しく揺らしてきた。
待て待て待て状況をよく見ろ。せめて一回肩叩くだけでいいじゃん。
嫌々顔を上げるとうわっ、と言われた。

「んだてめぇ…」

「いや般若かと思った…」

一発ぶん殴ってやろうかと思ったけどチャイムと同時に先生が入ってきたからやめとく。

「んで暇?暇?」

「あの肩ゆらすのやめて」

「んんー」

今度は自分の座ってる椅子を上下に揺らし始めた。あの、先生ごっつ睨んでるからね、あたしより般若な顔してるからね。

「暇暇暇暇暇ー!?」

次はあたしの机をがたがた。
うるさい、と睨むと一瞬怯んだけど取り直してまた机をがたがた。
両腕伸ばしてばんばん

がたがたがたがたがたがたがたがた
ばんばんばんばんばんばんばんばん

ああもう!

「暇だからいい加減にしろっ!お前の奥歯に指つっこんでがたがた言わせたろか!」

頭をひっぱたいてやるとようやく大人しくなった。
てか用件は何!

「…遊びに行こ……」

そんだけであんなに必死だったのかよ