私が起きたのは、9時を回った頃だった。私は慌てもせず、シャワーを浴びて、身だしなみを整える。もちろん、身にまとうのは未来機関のスーツだ。
シャコシャコと歯を磨きながら、昨日書いた部屋割りならぬフロア割りを確認する。これで大丈夫なハズだ。そう心の中で言い聞かせて、口をゆすいだ。


「よしっ、出勤だ」


威勢良く部屋を出る。私が向かうのは苗木くん達が待つ会議室…ではなく、食堂だ。
食堂に着くと、苗木くん達は談笑しながら手元のコーヒーを嗜んでいた。私が「おはようございます」と挨拶をすると、十神くんが真っ先に「遅い」と叱咤し、挨拶を返してくれた。それに続き、皆が返してくれる。


「今日も寝坊だね」


そう言って、苗木くんは笑った。まるで学校のようだ。
とりあえず朝食にワッフルとその他諸々を頼み、それが届くまでの間にフロア割りを見せる事にした。


「昨日、徹夜で考えたの。皆の希望を取り入れたフロア割り」

「だから寝坊したのね」

「…まぁそうですね…」


びしり、と言い当てられた。それに機嫌を良くしたのか、響子さんは「まぁ、なまえさんの事だから想像はつくけど」とからかうように笑った。なんか心が苦しいです。


「良いと思うよ!!」

「ああ。これでいいだろうな」


次々と賛同の声をもらい、嬉しくなった。そこで調子に乗ってこんな事を言ってみる。


「なんか、"超高校級のデザイナー"になれそうな気がする」


それには皆が吹き出した。失礼な。私はそんな覚醒した気さえしたというのに。
私がむう、と頬を膨らませていると、そこにワッフルとその他諸々がやってきた。"超高校級のパティシエ"とかが作ってるワッフルだ。美味しくないはずがない。


「あっ、13階にトレーニング場とか入れようかな、とか思うんだけど、流石に不安定?」


「それと4階は倉庫ね」と付け加える。ワッフルを食べながら、私は苗木くん達の返事を待った。しばらく悩んでいたが、苗木くんは「"超高校級の建築家"がいるから平気だと思うよ」とその存在を教えてくれた。
じゃあこのビルの全体的なデザインが完成したら、建築家の人と話し合わないといけないんだ。

その時はどうか、キャラは薄めでありますように、と叶わぬ願い事を神に飛ばした。

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