私がこの世界で生きていくと決めて、1年が経った。成長期が止まったのか身長が伸び悩む私は、ここ…ーー未来機関で働いていた。

皆はまだジャバウォック島に残っていて、私だけが一足早く未来機関で働いているのだ。ちなみに苗木くんと同じ班で、島から出てもよくしてもらっている。
未来機関は堂城さんを殺したとされる男性を追放。スナイパーも其れ相応の処置をしたらしい。そして、苗木くん達の説得により、未来機関は全ての班が一丸となり、ジャバウォック島にいう皆や絶望達を更生、サポートする事となった。
そんな前向きな未来機関が私を疑う事はなく、すんなりと未来機関に所属する事を認めてくれた。仕事ばかりで忙しいが、充実した日々を過ごしている。仕事ばかりで島に戻れない、というのが少々寂しい気もする。



…ーーそんな私は今、ある計画に向けて大事な役割を担っている。


「ここはリビングにした方が良いと思うよ。開放感が出てくるし、日当たりも良いから。うん、全体的に温室をイメージした方がいいかもね。太陽の方をガラス張りにする感じ!!」


ジャバウォック島から出た彼らが、きちんと自立できるように、なおかつ寂しくないようにサポートする、




…ーー"ルームシェア計画"である。




そして、そのルーム…いや、ホームとなるビルのデザインを、私は任されている。
これには多額の費用が必要となるが、未来機関は出費を惜しまなかった。それはやはり未来機関の意識の高まりによるものだろう。


「全体的にオールマイティで使えて欲しいな。あ、これは私の要望なんだけど、温水プールとか温泉とか欲しい」


そう言いながら、手元のスケッチブックにカリカリと書き込んでいく。
外観は下の2、3階が広く、その上に高層ビルが建っているようなものだ。下の階層はリビングやさっき言ったプールや温泉を置き、上の高層ビルには各々のフロアを用意する。コテージがフロアになる、と言った方が早いかもしれない。そして、最上階にはレストランと大浴場などを完備。
つまり、完全な最高級ホテルだ。


「…あっ、ボクも温水プールは欲しい」

「俺は最高の書斎が欲しい」

「私はなんでもいいわ」


そんな事を口々に言う彼らの要望も、手元のスケッチブックに箇条書きで書いていく。
どんな形にしようか。どんな色にしようか。普通ならば悩む所も、今の私には楽しみの一つにしか感じなかった。

…ーーあぁっ、ワクワクする…っ!!!

なんとなく、自分の中に"超高校級"の才能が目覚めた気がした。

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