次に私が目覚めたのは、暗闇。意識はぼんやりとしているのに、足は前に進み続けていた。まるでどこかに導かれているような、不思議な感覚だった。目の前に迫るのは大きな扉。それがゲームへの扉だと分かるのは、私がこのゲームを知っているからだった。
扉を開けてそこへ入ると、見知った皆が出迎えてくれた。教室いっぱいに広がる面々。


「なまえちゃん、元気っすかーっ!?」
「待ってたよ、なまえちゃんが最後だね」
「遅かったな」


などいろんな声をかけられ、私はもみくちゃになった。そしてその様子を遠くから見ているのが、凪斗と日向くん。そして一人の少女。フードを着て、手にはゲーム機が握られている。眠そうな表情ながらも幸せそうに、懐かしそうに微笑んでいる。可愛らしいその少女を見ていると、皆が察したようにその少女の前へ私を押してくれた。


「初めまして。みょうじなまえです。よろしくね」

「うん。よろしくね、みょうじさん。私は七海千秋だよ」


若干、七海ちゃんの雰囲気が柔らかい気がした。もしかしたら、もう人間に近いのかもしれない。彼女がゲームでなかったら、現実にいたらどれほど楽しかっただろう。もっと楽しかったに違いない。
そう考えていると、突然教室の扉がガラガラと音を立てて開いた。ぴょこっと特徴的なアンテナに、Yシャツを着た人。苗木くんがウサミちゃんを抱いて教団に立つ。その組み合わせが可愛過ぎて、自然と口元が緩んだ。


「じゃあ説明するね」


その一言が私たちのアイランドモードをスタートさせた。

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テーマ「人外ファンタジー」
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