ふぅ、と息を吐き出し、目の前の完成したデザイン達を眺める。
うん。我ながら良くできたじゃないか。
私たちのフロアを始め、ゲストルーム、大浴場、レストラン、ゲームセンター、PCルーム、などなど。全てが超高校級で、そこにいる人も全員超高校級。最高のホームシェア計画だ。


「なまえさん、」


突然名前を呼ばれた。ビックリしながらも振り向くと、そこには苗木くんと優男と屈強な男性がいた。
1人は本当にひょろひょろとしていて、なんとなくチャラい。イケメンなので許せるのが、なんとも言えない。もう1人は本当に屈強。まるで弐大くんみたいな体だ。
正反対な2人だなぁ、と眺めていると、優男の方が私に手を差し出した。


「長谷川優斗です。"超高校級の建築家"として、あなたを全力でサポートするんで、よろしくお願いします」


慌てて立ち上がり、彼の手をとる。私も挨拶しようと口を開きかけると、それは隣の屈強な男性に遮られてしまった。


「橘蓮だ。お前を長谷川と一緒に"超高校級の大工"としてサポートする。まぁ、現場は俺たちに任せろ」


屈強な男性ー橘さんも手を差し出してくれたので、彼の手を取ってから私も挨拶を返す。


「みょうじなまえです。これからよろしくお願いします」


まぁ、彼らの方は私のことを知っているのだろうが。
苗木くんを隣に、彼らには向かいの椅子に座ってもらう。向かい合わせで座ると、なんだか緊張してしまった。


「…え、っと…これがデザインです」


スケッチブックとファイルを差し出し、2人に見るように促す。
それを受け取った2人は、しばらくじっと見入っていたが、すぐに目を輝かせて私に詰め寄った。


「最高ですッ!!!良い感じですし、何より俺好みです!!」

「俺もこれは好きだぜ。特にこのレストランの凝り具合が最高だな」


そう言って、2人はお互いにデザインの資料を指差しながら、それらを絶賛した。
そこまで言われると、お世辞であってもなんだかくすぐったい。


「あ、ありがとうございます」


苗木くんはそんな私たちを保護者のように見守っていた。私たちが話し合い始めても、それをじっと眺めている。
時々、私にコーヒーを要求していたが、それ以外は何もなし。
私がコーヒーを淹れるのを見た2人が、私にコーヒーを淹れてもらいたい、とせがんだ事で話し合いが脱線してしまった。
あわてて話を戻すも緊張が解れ、やる気が消沈してしまった。


「今日はこれくらいにしようぜ」


そんな橘さんの提案でお開きとなった。

…しかし、あしたの話し合いが始まるのが朝の8時というのはいかなるものか。私を殺す気である。

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