チャンピオンを辞退した時の周りの顔は今でも忘れない。いや、忘れられない。
…ねえ、チャンピオンってそんなに偉いの?





前を向いて02









『……………あ、……夢…』
「…ダネ?」



また、チャンピオンを辞退した時の夢を見たなー…何て背伸びをしながら苦笑いする。

キョロキョロと周りを見渡せば見慣れない部屋。
昨日、フシギダネを見つけた後アララギ博士の研究所へと足を進め泊めてもらったのだ。
両足も手当してくれたアララギ博士。感謝しなくちゃ。




「アオネちゃん、起きたかしら?」
『あ、アララギ博士!』



感謝していたら丁度博士が部屋に入ってきたのでドアの方を見ると、博士の手にはモンスターボールが三つあった。
ジッとアララギ博士の手にあるモンスターボールを見てたのに気付かれ、にっこり笑う博士。



「アオネちゃん」
『…はい』
「見た事ないポケモンを見てみたいと思わない?」
『お、思います!…すごく…』
「ふふっ、じゃあ、今からアオネちゃんにポケモンを渡すわ」



アララギ博士がそう言うと、モンスターボールから三体のポケモンが出てきた。
見た事のないポケモン……イッシュのポケモンを一度見てみたかったから楽しみで胸がドキドキしている。
すぐ側の机にモンスターボールを置けば、ポンっと音を立てて僕の目の前に姿を現した。



ラッコのような姿をしていて頬にはそばかすのような斑点があり、ホタチを持っている水タイプ。
二足歩行の蛇のような姿をしていて半開きのような目をしている草タイプ。
子豚のような姿をしていて尻尾の先端に赤いボールみたいなのが着いている炎タイプ。




『わ、あ…最初に貰えるポケモンですか』
「ええ、そうよ!右からミジュマル、ツタージャ、ポカブよ」
『ミジュマル、ツタージャ、ポカブ……』






『よし…僕、この子にします!』
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