カランカラーン
「いらっしゃい」 「よぉ、調子はどうだ?」 「久しぶりだな、跡部」 「一ヶ月ぶりくらいだね」 「もうそんなに経ったのか。カウンターでいいか?」 「ああ、注文は?」 「ブレンド頼む」 「かしこまりました」
「スーツってことは、仕事帰りか何か?」 「媚売ってくる爺共のパーティーがあったんだが、面倒だから断ってきたんだよ」 「うわあ」 「そんなドラマみたいな事って本当にあるんだ」 「ま、この店に来たのはたまたま通りかかったからだけどな」 「こっちとしては寄ってくれるだけありがたいけどね」 「でも跡部っていいタイミングで来るよな。あんま人がいなくて騒がれない程度に」 「あーん?誰に言ってやがる。例え建物の向こうからでも俺のインサイトで丸見えなんだよ」 「あ、まだインサイトあったんだ」 「つーかそれテニス関係ねえじゃん」 「細かい事気にすんじゃねえ」 「クスクス、相変わらずだね」
「おっと…長居しちまったな。そろそろ帰らせてもらうぜ」 「うん、今度は料理も食べにおいでよ」 「暇ができたらな」 「ろくに暇も無い奴がよく言うよ。お会計1100円になります」 「万札しかねえがいいか?」 「…本当に相変わらずだな」 「だね」
変わらない彼
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