カランカラーン

「いらっしゃい」
「よぉ、調子はどうだ?」
「久しぶりだな、跡部」
「一ヶ月ぶりくらいだね」
「もうそんなに経ったのか。カウンターでいいか?」
「ああ、注文は?」
「ブレンド頼む」
「かしこまりました」

「スーツってことは、仕事帰りか何か?」
「媚売ってくる爺共のパーティーがあったんだが、面倒だから断ってきたんだよ」
「うわあ」
「そんなドラマみたいな事って本当にあるんだ」
「ま、この店に来たのはたまたま通りかかったからだけどな」
「こっちとしては寄ってくれるだけありがたいけどね」
「でも跡部っていいタイミングで来るよな。あんま人がいなくて騒がれない程度に」
「あーん?誰に言ってやがる。例え建物の向こうからでも俺のインサイトで丸見えなんだよ」
「あ、まだインサイトあったんだ」
「つーかそれテニス関係ねえじゃん」
「細かい事気にすんじゃねえ」
「クスクス、相変わらずだね」

「おっと…長居しちまったな。そろそろ帰らせてもらうぜ」
「うん、今度は料理も食べにおいでよ」
「暇ができたらな」
「ろくに暇も無い奴がよく言うよ。お会計1100円になります」
「万札しかねえがいいか?」
「…本当に相変わらずだな」
「だね」


変わらない彼



- 43/46 -

|


戻る
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -