ピンポーン

「珍しいね、誰だろ」
「俺が出るよ。はーい!」

「宅配です」
「宅配?誰から…あ」
「こちらにサインか判子お願いします」
「あ、はい」
「ありがとうございましたー」
「どーも」

「何だった」
「宅配」
「母さんから?」
「ほら」
「えっ剣太郎!?」
「中身アサリだってよ」
「結構量あるね」
「手紙と写真も入ってた」
「『皆で捕ったアサリ、美味しく料理してね』だって。剣太郎とバネと首藤に樹っちゃん、サエにおじいもいるね」
「みんな老けたのにおじいは変わってないな」
「みんなの顔見るの久々だね」
「そうだな」
「…ねえ、このアサリ」
「メニューで出そうって?」
「よく分かったね」
「まあな」
「アサリのスープスパゲティとか」
「いいな、後で試しに作ってみるか」
「絶対に美味しいよ」
「当たり前だろ、みんながくれたやつなんだから」
「そうだね」


それはきっと家族の味



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