カランカラーン

「いらっしゃ…お、観月か」
「こんにちは。カウンターでいいですか?」
「ああ。何にする?」
「アッサムで」
「了解、観月にはもうメニュー見せる意味ないな」
「僕だって客なんですから、メニューくらいちゃんと見せて下さい」
「でも全部覚えてるんだろ?」
「ほぼ一年も手伝っていれば当然ですよ」
「ははっ、そりゃそうか」
「…それより、客に手伝わせる店ってどうなんですか?」
「観月が自分からやり出したくせに」
「あんなに慌ただしく動き回っていれば誰だって気の毒に思いますよ。バイトでも雇ったらどうです?」
「バイトねぇ…」
「そういえば、淳君の姿を見ませんが…」
「あー、コーヒー豆切れたから買いに行ってもらってるんだ」
「…開店前にちゃんと確認しておきなさい」
「へーい」
「返事はハイです」
「観月は本当に母ちゃん気質だな」
「誰のせいだと思ってるんですか…」
「少なくとも俺だけじゃないな。はいよ、お待たせしました」
「どうも」


今日はお客さま



- 45/46 -

|


戻る
「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -