淳の風邪が治らないので病院に来たようです

ピピッ ピピッ
「…下がってない」
「38度ですね。では、そちらの方で名前が呼ばれるまで少々お待ち下さい」
「はい」
(昨日から熱が下がらないから病院来たけど…本当に亮一人でお店大丈夫なのかな)

「注射いやー!」
「騒いだらあかんて、注射せえへんから大丈夫やって」
「やだー!」

「あれ、この声…」

「お話し聞くだけやから、な?」
「…ほんとに?」
「ほんまやって」
「山本舞衣ちゃーん」
「ほら、お母さんと先生待ってるで?」
「うん…」

「はー、大変やった…」
「やっぱ子供は注射嫌いなんですね」
「せやなーって、え。自分誰?」
「ああ、すいません。元四天中の忍足さんですよね?髪黒いですけど」
「そうやけど、どっかで会ったことある?」
「直接的な面識はないですね。俺、元ルドルフのテニス部だったんですよ」
「あー!赤澤とか観月おったとこか」
「そうです。忍足さんて医者やってたんですね」
「ちゃうちゃう、まだこっちで研修中やねん。えーと…」
「木更津淳です」
「淳か。病気なん?」
「ちょっと熱が下がらなくて、店休んで来たんです」
「店?」
「はい、兄と喫茶店を」
「へー!ええな、今度行ってみてもええ?」
「もちろん、歓迎しますよ」
「木更津さーん、木更津淳さーん」
「あ、呼ばれたで」
「みたいですね。じゃあ、また今度」
「おん!次会うときは敬語やなくてタメ口でな」
「…クスクス、わかりました」


大人になって



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