「ただでさえ蒸し暑いのに雨まで降るなんて嫌になるよ」
「僕たち農家にとって雨は天からの恵みですよ。やり過ぎは困りますがね」
「僕は雨好きじゃないな、青空が好きだから」
「まあ、確かに湿気が溜ってジメジメしてるのはあまり良いものではありませんね」
「傘だってすぐ壊しちゃうしさ」
「…そういえばそんなことありましたね」
「覚えてたんだ」
「雨の中チャンバラしてる馬鹿を忘れる方が難しいですよ」
「懐かしいな、柳沢達とよくやってたんだよね」
「お陰で馬鹿は風邪をひかないというのが実証されましたからね」
「観月ったらひどいなあ」
「物は大切に使いなさい。大体傘なんて一年を通してそんなに使わないでしょう」
「そうなんだけど、なんかちっちゃい頃からよく壊してさ。よく亮の傘に入れてもらってたんだ」
「笑顔で話すことではないですよ」
「クスクス、そうだね」



あめふりの日



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