「幸村ーいるー?」 「いるよー、いらっしゃい。今日は二人で来たんだ」 「今日はお店お休みだし。たまにはね」 「そうなんだ。今日はどんな用件?」 「お店に飾る観葉植物を選んでもらおうと思ってさ」 「なるべく世話がかかんないやつで」 「うーん、じゃあアジアンタムなんかどうかな。可愛いって女の子に人気だよ」 「すげー葉っぱ」 「もさもさしてるね」 「可愛いでしょ?」 「かわいい…?」 「亮には女の子の心は分からないだろうね」 「直射日光とクーラーには当てちゃだめなんだ。湿っぽいのが好きって覚えていれば難しくないよ」 「へー」 「前から思ってたけど、その植物知識は丸暗記してんのか?」 「昔から植物は好きだったからね、店にある分は全部覚えてるよ」 「店にある分って結構あるね」 「もはや変態の領域だな」 「何か言った?」 「オーラと笑顔が怖いよ」 「前に淳が奥さんに可愛いねって言った時以来のオーラだな」 「人妻を口説く方が悪いと思うけど?」 「実際可愛いかったんだもん」 「キモいからだもんとか使うなよ。幸村はその園芸鋏を下ろしてくれ、あと笑顔が怖い」 「俺の薔薇の様な笑顔を見れただけで儲け物だと思うよ」 「棘しかない薔薇はお断りしたいな」
笑顔一万円
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