「ありえへん…なんやこの暑さ…」
「ほんまアホちゃうか…」

炎天下の部活ほどの地獄はないだろう。
温暖化かなにか知らないが、凍らせたスポーツドリンクが1時間で溶けてしまうくらい、今年は物凄く暑い。
今はユウジと木陰で涼んでいるが、蒸し熱い空気とぬるい風のお陰であまり木陰にいる意味がない。
それでも直射日光が当たらないだけマシなのだろう。

「あーかき氷食べたい…」
「ええなー、かき氷。俺レモン食いたいわ」
「頭と同じか」
「サッパリしててええやん」
「俺はメロンがええ」
「頭と同じやん」

あまりの暑さに思考力が低下し始めたとき、ユウジがポツリと呟いた。

「…他の奴らは何食うんやろ」
「あー…白石はイチゴ練乳食ってたな」
「白石が練乳って…」
「似合わんやろ」
「似合わん」

想像したのか、ユウジは顔をしかめている。
自分も最初はイメージと違ってて驚いたが、イケメンは何をやっても絵になるのか、大して違和感が無くて苛ついた記憶がある。

「そういや小春もイチゴやったな」
「まあ、小春ならイメージ通りやな」
「せやろ」
「金ちゃんは…全部の味のシロップかけそうやな」
「金ちゃんならやりそうやな…今度20種類のかき氷屋に連れてったろ」
「20種類とか」
「ほんまにあるで?さくらんぼとかコーラとかキャラメルとか」
「へー、面白そうやな。今度行こうや」
「野郎二人とかどんだけ寂しいんや。小春となら大歓迎や」
「……」

「銀はどうやろ」
「うーん…みぞれ?」
「おー…ぽいな」
「財前は絶対に宇治金」
「ハマり役すぎるわ」
「小石川は……」
「………」
「………ブルーハワイ?」
「適当やろ」
「…」

その後も二年や一年もと、あれやこれや考えてるうちにあっと言う間に休憩は終わってしまった。
今度みんなでユウジが言う20種類のかき氷屋に行こうと思いつつ、また炎天下のコートに足を運ばせた。





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