その外には



「シセラ」


朝食の片付けをしているシセラに、レイは不意に声をかけた。

「はい、なんでしょうか?」

皿を食器棚に戻す手を止め、くるりと振り向いた。

既にこちらを凝視していたレイと目が合う。


「今日は早めに仕事を終わらせられるか」


質問、と言うよりは半分命令みたいなもの。何となくだがシセラはそう感じ取った。

「あ、はい、昼食までになら…」

今日は珍しく、レイはあまり仕事を言いつけなかった。だからいつもよりも早く終わるだろうとシセラは予想した。

それを聞いて何か考え始めた様子のレイに、どうしたんですか、とシセラが訊ねれば、






「―街に出るぞ」






果てしなく淡々とした口調で、レイはそう答えた。




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