「もういい、仕事に戻れ」
こちらをチラリとも見ない。
シセラは自分のしたことの深刻さに改めて気が付いた。
だが、こういった日は悪いことが更に重なるものだ。
「でも、マスター…ご用があって呼ばれたんじゃ…」
思わず口に出した言葉が、レイの機嫌をまた悪くさせたようだった。
険しい目つきはそのまま、レイは眉間に皺を寄せる。
「…ぁ」
シセラは一歩後ずさる。
「っ、ごめんなさい」
深く頭を下げると、慌てて部屋を出て行った。
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