「…」
図星だったからと、子供みたいにいじけた自分が今更ながらに恥ずかしく感じる。
わざわざ心配して来てくれた人に対しての、自分の態度に嫌気がさしてくる。
天界でも、体調は頻繁に崩す方だったシセラ。
よく考えると、両親が死んでから、ヨハネ以外で自分を心配してくれた人は、レイが初めてだ。
そう思うと、酷く寂しく、悲しく、心細く感じた。
「…マス、ター…」
シーツに顔をうずめ、シセラはギュッと目を瞑った。
「…?」
すると、遠くから、足音が近づいてくるのが聞こえる。
それは、シセラのドアの前で止まり、続いてコンコン、と軽い音がする。
「…」
返事をしないでいると、ドアから人が離れる気配。
「あ…っ、マスター…!」
飛び起き、思わずそう叫ぶと、ドアが開かれる音がして、レイが入ってきた。
[←] | [→]
back