「体調が悪いと思ったら、すぐに休め」
叱っているのか、諭しているのかは、わからなかったが、シセラは少しムッとする。
だから、
「他には」
とレイが聞くと、拗ねた口調で、
「ありません。…もう、寝かせてください」
そして、そう言ったことを、すぐに後悔した。
しかし、今は素直に謝れる気分でも無く、レイに背を向けるように、寝返りを打つ。
一方レイは、気にする事なく、しかし、そのまま言われるがままに部屋を出て行く。
パタン、とドアが閉まる音が聞こえた後、シセラはシーツから顔を出し、溜め息を吐いた。
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