矛盾と謎
決して広くはないが、狭すぎる訳でもない、そんな丁度良い広さの部屋の、壁際のベッドに、少女が眠っていた。
もう今は、太陽が高く登り始めた、お昼時。
しかし、少女は、目を覚ます気配を見せず、規則正しい寝息をたてていた。
ふと、少女の寝息が止み、その目が眠そうに、ゆっくりと開かれる。
視線は、同じ高さにある置き時計に。
そのまま、数秒間、上の空だったのが、いきなりバッと起き上がり、急いで少女は着替えだした。
そして、その後はバスルームに走り、ものの数分で出てきたが、下ろしてある髪は所々跳ねていた。
十分もかからなかった、支度。これは、今までの少女の人生でも最短のものになるだろう。
しかし、そんな事を考えている余裕のない少女は、部屋を服や跳ね飛ばしたシーツで散らかしたまま、廊下に飛び出した。
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