さっさと落ちれバカヤロウ▽花巻貴大 ※花巻がお兄ちゃん 「おーいなまえ、お前風呂やれ」 でた、お兄ちゃん。すぐ私をこき使おうとするお兄ちゃん。花巻貴大18歳。私は今塾から帰ってきてまだコートもかけてないのにこうして命令をふっかけてくる。私は今年受験で今1秒でも惜しい時期なのになんでそんなに邪魔をするのか意味が分からない。 「いや、私解き直しやらなきゃだしお兄ちゃんやってよ」 「はあ?部活で疲れて帰ってきたお兄ちゃんを癒そうとは考えないの?」 「お兄ちゃんこそ塾で勉強して疲れて帰ってきた妹を癒そうとは考えないの?」 好きでやってんだろお前は お兄ちゃんこそ そう言い合ってお母さんにふたりして怒られるのが最近のお母さんにとっても、私にとっても悩みだ。というか、ストレス? 何にしたって今が1番頑張り時なのにどうしてお兄ちゃんはまた。なんだかお母さんは分かってるみたいだけど。 いやな気分で部屋に戻って、結局お風呂を沸かすのはお母さんになった。なんだか申し訳ないなあ。 ▽ 「なあ、お前公立1本なの?」 「は?」 もう23時で、いつもならお兄ちゃんは部屋で過ごしてるのに今日は珍しく私の部屋に来てベッドに座っていた。練習で疲れてないのかな、眠くないのかな。これ以上私の邪魔はして欲しくないんだけどな。 「一応、私立も受けとくよ。なに?いきなり」 「いや、別に…」 なんだか気まずい。特におちょくるわけでもなく静かなお兄ちゃんなんていつぶりか分からないから。質問の意図が読めないことも、あるんだと思うけど。 「………私立、青城?」 時間にしておよそ3分。黙っていたお兄ちゃんがそう私に聞いた。 「…そう、だけど」 「ふーん、そ」 ギシッとベッドのスプリングが大げさに鳴ってお兄ちゃんが部屋から出てく気配がする。お休みって言わなきゃ。首だけ動かして、お兄ちゃんの方を見て。 「おやすみー」 「……やすみ…」 なんであんなにやけてんの。 ▽ 「貴大ってばほんと昔からなまえ大好きねえ」 「ババアうっせ」 20151123 return |