けたたましい轟音やら金属音が数時間に渡り響き
そして時刻は深夜─

泥「よし!終わりだ、うん」
元気よく仕切ったのはデイダラ。


辺りは集中的な攻撃を浴び熱と煙を放っている。

鼬「そこの愚かなる髷…何が終わりなのか説明してもらおうか」

見渡す限り爆痕や武器が散らばり凄まじい戦闘のような傷痕が刻まれたその場所には、毅然として例の強敵は立ちはだかったまま。

泥「いや、もう無理だって。オイラ達がこんだけやってもヒビすら入らないんだぜ、うん」

鮫「確かに…我々の力がここまで通じないというのも可笑しな話ですねぇ。何か特殊な結界が張ってあるか…あるいは一定の条件を満たさなければ破壊されないトラップか…」

飛「何時間も攻撃しっぱなしだからなァ、さすがに疲れてきたぜェ」

泥「だからもう諦めろって、うん。これでリーダーのアホらしい夢も儚く散ったからよ」

蠍「てめぇ何言ってやがる、俺はどうしても解剖室が欲しい!臓物を処理できるように水道の設備が付いてると傀儡化作業が短縮できる」

角「俺も巨大な金庫部屋が欲しい。お前達の金の無頓着さには毎回悩まされているからな」

鮫「私も、オープンキッチンで料理するのが夢だったんです」

飛「オレぁさっきも言ったけど儀式部屋があればいいぜェ!」

泥「結局みんな乗り気だったのか、うん!?」

鼬「言っていても仕方ない…とにかく、連携技や奥義を出してでも破壊の糸口を見つけるぞ…」

この中で唯一まともな意見のイタチにメンバーは再び大岩に挑み直した。

鼬「因みに俺は、キャベツ畑を作りたい」


***********************


その頃…

ぺ「小南!このベッドなんてどうだ。俺達二人なら十分な大きさだと思うが」

小「ペイン…貴方にはこれが相応しい」

そう言って小南が家具屋で指差したものは 中古の汚いソファーだった。

ぺ「…」

絶「早クシロ…オ前ハ地ベタニ寝レバイイ…」
「もう荷物係疲れたよね」

小「それより、彼等は大丈夫だろうか。破壊できる出来ないの前に、チームワークが取れているかが心配だ…」

絶「今頃喧嘩でもしてるんじゃない?」
「死体ガ出タラ俺ガ喰ッテヤル…」

ぺ「あいつ等なら大丈夫だ。何たって俺が集めた犯罪者ばかりだからな」

小「だから危惧しているのだ…」

そう呟く小南にペインは笑みを浮かべた。

ぺ「よし、後は食堂の机と椅子を揃えれば終わりだ。俺達が明朝到着する頃には任務も完了しているだろう」

そう言ってリーダーペインは中古の汚いソファーを抱えて食堂コーナーへと向かった。


***********************


草木も眠る丑三つ時。

鼬「火遁!!石焼き芋の術─!!」

泥「連携、芋型爆弾─!!」

既に疲労もピークに達し、体力の限界が近いメンバーは徐々に精神が崩壊し始めていた。

鮫「何ですかその連携技は!その前に芋にこだわる理由を教えて下さい」

鼬「だぁぁまれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!芋を焼くときはまず石を焼いてからと相場は決まっているだろうがぁぁぁぁ!」

鮫「知りませんよそんな常識!というかしっかりして下さい!デイダラもつられないで下さい!貴方イタチさんのこと敵視してたんじゃないんですか!?」

泥「あぁ?ったりめぇだ、うん!イタチはオイラの獲物だ…!!ついでに爆発と言わず蒸発させてやるよ─喰らえ、CO2!」

鮫「それ二酸化炭素!」

鼬「ふん、貴様の芸術などに興味は無いが…相手になってやろう。鬼鮫ぇぇぇぇ…!!早く三色団子を持って来ないかぁぁぁぁ!!」

鮫「貴方結局さっきからお腹すいてるだけでしょうがぁぁ!」


飛「あぁ…俺も腹減ったぜ。なぁ角都ぅ、何か食い物ねえ?」

角「飛段…貴様は自分の脳みそでも食べていろ。再生したら少しはまともになるかもしれん」

飛「ひっでぇなおい!!……でも、そうかな?」


蠍「ぅうるらぁぁぁああああああ!!!」

泥(サソリの旦那が叫んだ!?)

突如後方からの声にデイダラは素早く反応すると、いつの間にかヒルコから出たサソリが瞳孔をカッ広げて錯乱していた。

泥「どうした!サソリの旦那!」


蠍「千手操武の操演!!─赤秘技、ガトリング!!」


泥「色々技混ざってんじゃねぇか!!しかも最後のマズイだろ、うん!旦那は傀儡なんだから真夜中のテンションとか関係ねえし!!」

蠍「俺だって眠いわぁぁぁ!!見りゃわかんだろうが…!!」

泥「元から眠そうな顔してるだけだろ、うん!しかも気安く本体曝すんじゃねえよ!!」

鮫「……サソリさん、デイダラがイタチさんと絡んでるのが気に入らないんですね」

ぼそりと鬼鮫が呟いた。

蠍「デイダラてめぇいつからそんなに偉くなったんだ、あ゛!?俺が本体になることに何か文句でもあんのか、粘土にマヨネーズかけるぞ」

完全に自棄になっているサソリは、自らが纏っている外套すら脱ごうとして前釦に手をかける。

泥「おい旦那やめろ!いくらメンバーとは言え簡単に弱点見せんじゃねぇ!!うん!」

デイダラはサソリの胸ぐらを掴み外套を広げさせないように自身に引き寄せる。

蠍「ククッ……何だてめぇ、俺が他の奴等に身体を見せるのがそんなに嫌か?そうだよなぁ、これ以上を知ってんのはお前だけだからな…俺の色んな弱点も含めて」

泥「へっ、拗ねんのかデレんのかどっちかにしろよ旦那。オイラの下で啼くか、うん?」

蠍「黙れ糞餓鬼…独占欲の強いてめぇにはたっぷり身体に教えてやるよ。究極の快楽とは何かをな…」

泥「その体じゃ、説得力ねぇよ…うん」

互いに接吻しそうな距離で見つめ合う挑発した目。

デイダラに首元を掴み上げられたまま、サソリは誘惑的な視線を送り 口を歪めている。


鮫「はぁ…何だかヤラシイ会話してません?あの二人…」

角「くだらん、放っておけ馬鹿共が」

飛「へぇ、あいつらってそういう関係なのか??」

色恋沙汰に興味津々な飛段はちらっと振り返る。
「んっ─ンンッ…」

しっかりと濃厚な唾液交換が行われていたので口が半開きになってしまった。

─と。

鼬「サァァァスケェェェェェェェ!!!俺もお前を愛してるぞぉぉぉぉ!!!お前の唾液の味はおいしい○乳よりも美味でリポ○よりも疲労に効く!!」

二人の激しい舌の絡め合いに触発され、イタチが奇声を上げた。

鮫「煩ぇなこらイタチィィ!!テメーのその設定うぜぇんだよゴルゴォ…!!黙ってそこのみたらし団子頬張っとけウラァァア!!そんで早く岩壊さんかいボケェェェェ!!!」

そして遂に鬼鮫も壊れた。

鼬「貴様ぁ、嫌がらせか…!!午前2〜6時の間はみたらしより三色がいいと言ってるだろう!!そして何故俺の力を以てしてもこいつは平然としているんだぁぁぁ!等価交換か!?そうなのか!?だったら俺のこの全財産のみたらし団子と交換だぁぁぁぁぁ!!持ってけドロボー!!」

鮫「テメー今三色の方がイイって言ってやがっただろうがぁぁぁ!!それから身体の一部差し出せや等価に程遠いわ削るぞサーティーン!」


飛「ひゃっほーーーう!!鬼鮫の野郎がブチ切れてんぜ角都ぅ!!こりゃ前代未聞だぜェ!」

角「飛段、貴様そんな四字熟語が使えたの──はうぅ!!」

突然、角都の身体に電気が走ったように急に海老反りになりその場に固まった。

飛「ぶあっはっはっはっはっはっはっ!!!!!ぎっくり腰かよ角都ぅ!!歳には勝てねぇな、ウケる…くっくっ!──うわ!ひじきはやめろって!!俺海藻類は苦手なんだよ!!痛ってぇ、、ブスブス刺すなっ!!っ…!痛てーよ!!あぁ………でも悪くねぇけど」


神秘の大岩の前で、国際級犯罪者達がズラリと並んでいる。─が、そこにいるのはチャクラが切れたただの変質者集団だった。

遠くの山々の山頂が白みがかる。
まもなく夜明けである。


***********************


ぺ「………これは一体どうなっているのだ─」

絶「死体は無いけど、ある意味予想通りだね」
 「コイツラガ仲間ダト思イタクナイナ…」

綺麗に残った大岩とその回りの凄まじい破壊跡にペインは目を丸くしてその場に佇んだ。

小「せっかくの家具も暫く出番はなさそうだな、社長」

ぺ「………」


鼬「うひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!戻ったかリーダー!さぁ、こっちへ来い」
鮫「遅かったですねぇ〜待ちわびてましたよ、」

鼬鮫『火水遁─爆水須佐能乎衝波─!!』

ぺ「ギャーーーーーーーー!!」

己の忍術が通じなかった憂さ晴らしが始まった。その標的はもちろんリーダー。

角「貴様…覚悟はできているだろうな、慰謝料と通院費を出せ!」
飛「今こそ存分に呪ってやるぜぇクソリーダー!!」

角飛『風遁呪術─死司圧害─!!』

泥「リーダーよくも騙してくれやがったな、うん?神とか関係ねぇだろこらぁ!!」
蠍「俺の本体を出させたあげく待たせるとはいい度胸だな…グチャグチャの茶碗蒸しにしてやるぜ、ソォラァッ!!」

蠍泥『C4百機のカルラ─!!』

ぺ「んぐハアァッッッ───!!ボヘェッ!!!ぐるらぅわぁぁあああああああああああ!!!」


かくして、この度の極秘任務はメンバー達の集団連携リンチで無事 幕を閉じた。


ぺ「な、何故だ…俺の選び抜いた、あいつ等さえ破壊、できないとは…しかも何故か、イイチームワークだ、」

小「もう充分にメンバーの素性を知れたのではないか?性格 戦法共にな」

絶「リーダーぼろぼろだね」
 「荷物持チノ褒美ニ喰ッテヤロウカ…」


鳶「あっれぇ〜??皆さんいないと思ったらこんなところで何やってんスかぁ?嫌だなぁもう!ボクを仲間ハズレにしないで下さいよぉ!!」

泥「うるせぇなトビ!お前はまだ補欠なんだから関係ねぇんだよ、すっこんでろ うん!」

鳶「ありゃりゃ〜デイダラ先輩ボロボロですね、ス・テ・キ☆ん〜〜〜この岩を壊そうとしてたみたいっスね!!ボクがお手伝いしますよ〜」

斑(フフ…コイツらのお陰でかなりのチャクラを吸収できたな…尾獣復活の要となるエネルギーだからな。だがもう用済みだ…)

鳶「えいっ☆」

その完全無敗の大岩はトビの一撃で崩壊した。


「「「……………」」」


鳶「あれれ〜?壊れちゃいましたね!!皆さんが頑張ってくれたからヒビが入ってたみたいっス!!テヘ☆」

変質者集団はその場に崩れ落ち 誰も言葉を発しなかった。


絶「じゃ、買ってきた荷物を運ぼうか」
 「全ク…世話ノ焼ケル連中ダ…」




.


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -