ガールズトーク
「ヘイなまえ!」
「ん?」
「たまには我が侭言ってよ!」
「…わ、我が侭???」


唐突にそう言ったミコは、ソファに座っていた私の隣にいささか乱暴に腰を下ろした。
ぐっと身を乗り出して、半ば私の上に乗りかかる形になっている。


「だってなまえ、ラチェットにどんな態度とられても笑って許してるでしょ?私たちに対してもだし…。もっと我が侭言っていいんだよ!?」
「まあ確かに…っていうか、お前が自由すぎるだけじゃないか?」
「私は自分に正直なのよ!文句ある?」
「こらこら、喧嘩しないの」
「ほら、そういうところ!」
「ごめんごめん」
「もうジャックは向う行っててよ!ガールズトークよ!」


わかったわかった、と首を振りながら向うに行くジャックを見送って、そんなに眉間にしわ寄せたら、かわいい顔が台なしだよ。と言って宥めれば、なまえが悪い!と抱きついてくる。…かわいいなあもう。


「んーと、あのねミコ。私もうこれが癖と言うか、性格なんだと思うの」
「…どういうこと?」
「向うにいたとき、周りの子が結構我が強くって。そうなると必然的にまとめ役と言うか、聞き役が必要になってくるでしょ?もともと、前に出て自分に意見を押し通すタイプでもなかったしね」
「…じゃあ、私が我慢したらなまえが我が侭言えるようになる?」
「あはは、そういうわけじゃないよ。むしろ私は、ミコみたいに自分の意見をしっかり言えることは良いことだと思う」
「…」
「ミコが我慢する必要はないし、私はみんなの話を聞いてるのが楽しいから。それに、かわいい弟妹ができたみたいで嬉しいしね」


黙って抱きついていたミコの腕の力が少し強くなる。抱きしめ返してその背をゆるく叩けば、ゆっくりと顔を上げてくれた。


「私も、なまえのことはお姉ちゃんみたいに思ってるし、なまえに話聞いてもらったり宥められてうれしい…」
「うん、ありがとう」



「…でも!ラチェットの態度にはもっと文句言っていいと思うの!!」
「は、はい…」
「なまえが言えないのなら私が言ってやるわ!!」
「…じゃあ、私が困ってたら言ってね」
「任せて!」

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