敵対精力
下品
「なまえ、セックスしよう」
「んぐっ」
耳を疑うような言葉が聞こえて、思わず口に含んだばかりのお茶が飛び出そうになってしまった。
「すみません宮田先生。なんか私、急に耳が遠くなったみたいなんですけど」
「そうか。なまえはそんなに耳元で囁かれたいのか」
「違います」
間違いだった。お昼休憩の時間だからと、わざわざ院長室に来たのが間違いだった。宮田先生、ここは病院です。間違ってもホテルじゃありません。
「ベッドならあるぞ」
「心を読まないでください!」
イケメンな部類に入るくせに、なんで発言は変態くさいんですか。あの、ちょっと、腰に手を回さないで。手つき厭らし…ああああちょっと!!
「どどどどこに手を突っ込もうとしてるんですかああ!!」
「触診だ触診。おまえの小さな胸を大き「死ねえええええ!」
渾身の力で放ったラリアットがしっかり急所に入ったようだ。悶絶する宮田先生を眺める。ざまあない。
「…教会行こう」
こんな時のための八尾さんと牧野さん。
足にすがりつこうとしてくるその手をぐりぐり踏みつけて、私はお弁当を抱えて教会に向かったのだった。
ーーー
変態にしてごめんなさい