(!)暗。死ネタ。





割愛なんかしらない、ただ殺すだけ






「さ、栄ぐ…」


「西広…愛してるよ…」


ぐぐ…と、首を掴む手に力が篭る。
西広の喉から、「ひゅー、ひゅー」と苦しげな息が聞こえる。


倒れた西広に跨がり、首を絞める。
これは、栄口によるいつもの愛情表現。




「っんぐ…!っく……」


「…色っぽいよ、西広。
 やばい、興奮してきちゃった…」


狂気な瞳が西広を見て、外さない。
栄口は股間を硬くさせながらも、首を離そうとはしない。

また一層力を篭めた。

すると、西広の顔も一層赤くなり、口から涎がいやらしく垂れる。



「あっ…」



栄口が気づいて手を離すと、遅く、西広が意識を飛ばした。

しかし、西広が意識を飛ばすのは、毎度のことなのだ。
あとは、栄口が興奮の熱を冷ましたあとに、西広を起こすだけ。







「ふぅー…西広、起きて。」


パチパチ、と軽く頬を叩くと西広がピクリと動いた。そして、ゆっくりと眼を開いた。


「……ん…」


「西広、起きた…?」


「あ…うん」


「今日も…ごめん、ね、ありがとう。」


さっきの狂気な栄口から一変。
申し訳なさそうな表情をした栄口が、そこにはいた。

西広は疲れた顔をしながら、可愛いげな栄口の顔を見つめた。


「ん……何?」


「…俺は殺したいほど好きな栄口為なら、何でもしてあげるよ…何でも…」


西広の言葉に、栄口の顔は強張り、手が止まる。瞬間、笑みを浮かべた。


「…俺、も同じ気持ちだよ…。
 いつか西広を本当に殺してしまいそうで、自分が怖いんだ。」


「いいよ、栄口は自分の気持ちに正直になればいいんだよ。」


西広は、栄口の両手を掴んで自分の首に手をかけた。


「俺を、殺してよ。
 愛する人の手で殺されるなんて、」







「大好き、大好き、大好き、大好き、大好き………」


狂気な栄口の眼には、無となった西広が写っていた。手も足も、体もだらんとしていて、目玉は上を向き、白目。


「……ぁ、また興奮しちゃったよ…西広………どうしよ……。」



これでよかったのだろうか。
とはいえ、もうすでに遅い。



end





――――キリトリ――――


ああ、なんだこりゃっ
西広、最近すきだわぁ



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