(!)キャラ崩壊注意
叶くんが主人公
後半から崩壊
「み…み、はし…?」
「かの、く…だいすき」
そんなきれいで真っ直ぐな笑顔が歪むのは、数秒後の話。
「おい、叶。開けやがれ。」
ドンドンドンドンドンドンドンドンドン………!!!!!!
西浦の部室のドアは激しく叩かれる。
叩いているのは、西浦のキャッチャー、阿部隆也。
何故、俺がこいつに追われているのは定かではない。
「ぅあ…ぁ……や、め…!!」
「じゃあー開けろよ。」
しかし、冷静な声とは反対に、徐々に激しさを増すドアを叩く音に、俺はノブを回すことを躊躇、危険と感じた。
「ぃい、や…あぁああ!!!やめてくれぇぇえ!!!」
ドンドンドンドンドンド、ドン…ドン……ド…………
「かの、くっ!!!」
…えっ?この、声は…。
「み、みは、し…か…?」
「そっ、そだよ!!な、何が、あったの!!」
「三橋!!そこから逃げろ!!!阿部が…阿部が…」
「阿部君がどうしたの?」
淡々とした口調。
「アイツが、俺を…俺…を…?」
「何されるの?何かされたの?」
「いきなり、阿部に、西浦まで呼び出されて…そして、カッターナイフで、お、追われて……」
「大丈夫、今は、阿部君はいないよ?出てきても大丈夫だよ?」
トントン、軽いノック。そして、淡々とした口調。
「ほ、本当か?」
「…うん、大丈夫…」
深く囁かれた言葉には、妙な説得力があり、その時の俺は何も疑わずにノブに手をかけた。
鍵がガチャリと開けた音とともに、激しく扉が開いた。
「見ぃ…つけたよ…叶くん。」
「え?」
反射光の中、薄らと浮かぶ見慣れた三橋の笑顔。
しかし、その笑顔の反面に、黒い暗黙が漂うのが見えた気がした。
「み…み、はし…?」
「かの、く…だいすき」
ズシャ!!、と。
「っぅ、あぁ゛!!」
我が身を裂く音が、嫌に耳に残った。
幸いにも切られたのは左腕を浅く。
「つっ…!!」
「あ、れ…ミスっちゃ、た……阿部く、に…怒られ、る…」
「あ、阿部だと!!」
「何やってんだよ、三橋。」
姿も見えないのに、その一言で俺の呼んだ名前の奴だとすぐにわかった。
「ご、ごご…ごめ、んなさ…!!」
三橋の異常の怯え方にも、改めて俺の脳裏に過ぎる答えを確実にさせた。
「…よお、叶…やっと、出てきたか。」
嫌な、きもい笑顔で俺を見下していやがった。
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