(!)危険

   花井が病んでる。水谷哀れ。
   死ネタ&グロシーン注意。

















青年と愚者





「花井、怖い顔してるよ?」


水谷に言われるまで気が付かなかったが確かに俺は、時々、自分でも恐ろしいほどの顔をしている。それも、水谷がいるときだけ。


「ふふ、花井疲れてるんだね…おいでよ。」


広げられた胸には、無数の傷。傷。傷。
真っ赤に染まったシャツは無残に肌蹴て胸が丸見え。
これをしたのは、誰?俺だ。


「花井って…冷たいね…」


ぎゅっと抱かれた体は骸のよう。俺に感覚・感情というものが消えていた。


「俺が、暖めてあげるからね…」


水谷の天使のような笑み。
茶色の髪に埃がついているのが見えた。
俺はそれを取ろうと手を伸ばすが、その手は髪ではなく、水谷の頬に振り下ろされた。

バシン!!と鈍い音が耳に届いた頃には、水谷は床に蹲っていた。


「っう…ぅ……」


さっきまで笑っていた水谷はそこにはいない。
今の容姿に似合う表情で花井を見つめてきた。怯えた瞳。


俺、何してんだ…水谷に……血、が…。


「は、はな…ぃ…。」


やめてくれ…俺を呼ばないで、くれ…。


「だ、いじょぶ…俺は、大丈夫、だから…」


来るなっ…やめて、くれ…!!
















「好き、だよ…花井………」


グシャ……!!!
血飛沫が目の前に舞った。

水谷の腹部には奇麗な果物ナイフが刺さっていた。

俺は水谷を見た。あいつは、笑っていやがった。
寂しそうに、悲しそうに、幸せそうに、笑っていた。


「す…、き……………」


息の根が止まった。死んだ。
血溜まりの中、静かに死んだ。

俺は呆然と水谷を見つめていた。



………ア…アア……シンデ…シマッ…タ……―



















これで水谷は、¨俺¨のものだ。
誰にも渡さない。

俺は血溜まりとなった水谷の血を指ですくい、舌で舐めた。
水谷の血は、甘い、味がした。



end





――――キリトリ――――


水谷は自分の死をわか
っていたのかもしれな
い、花井に殺される事
を、ね。

花井は軽い多重人格?




「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -