日常は簡単に壊れていき、始まるものは変化をすることを捨てた新たな日常。

俺が次に目が覚めた時、俺の目には世界がどう写るのだろうか。

幸せなのか、それとも。



「鈴木!」

佐藤は笑いかけて、俺を抱き寄せた。まだ揺らぐ思考の中で理解したのは、今が朝であること。

「佐藤…?ここは。」

「廃墟だよ、早く学校行こうよ!」

廃墟?と疑問持つが、次に何故いるのか?疑問を考える前に佐藤は俺の手を引いて歩き出していた。


学校に着いて教室の扉をくぐると、いつもはボーッとしている平介と目が合う。

「おはよう、平介。」

「…おはよう…鈴木。」

平介の目は憐れんだような目をしていた。瞬間、頭痛が走る。しかし、俺は考えることを止めた。

「おはよう、鈴木くん!」

すると、隣の席の女子が挨拶をしてきた。

「おはよう、高橋さん。」

「ごめんなんだけど、鈴木くんの足元に転がっている小さな消しゴム、取ってくれない?」

そう言われて足元を見ると、確かに小さな消しゴムがあった。それを拾い上げて、差し出された女子の手に置いた。瞬間。



「あれ、鈴木くんの手…氷みたいに冷たいね。」



俺はその日から変化を捨てた。
そして、その日を絶望した。



end



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