佐藤たちが向かった道を歩き出す。
別に疑ってるとかじゃねえけど、気になって仕方がない。ここ数週間の佐藤の不審な行動に、平介の言葉。

「気になるに決まってんだろ!」

心の声がついつい声に出てしまい回りを見渡す。誰もいなかったので一安心してまた歩き続けた。

あいつらはどこに向かったのか?歩き続けること30分。見知らぬ街、見知らぬ景色、見知らぬ人が流れていく。空は藍色が差し始め、月が薄く顔を出していた。…俺は何をしてんだか、つかもうあいつらの行った先を過ぎたかもしれないじゃん、あああ何してんだよまじで。むしゃくしゃとしながら鈴木は踵を帰そうとした。その瞬間、鈴木の視界にあるものが入った。

(ここは…?)

木々に覆われ、雑草で地面が見えない、そんな場所にその廃墟は立っていた。

その場所はたくさんのビルが立ち並んでいた場所で、今となってはほとんどが廃墟。ガラスは割れ、所々に亀裂が入り、鉄骨は剥き出し。廃墟の群。

鈴木はそんな廃墟に目が心が惹かれた。ここに何かがある、と頭の中で何かが叫ぶ。夜の廃墟、鈴木は小さな生唾を飲み込むと、目指すの方向に足を進めた。






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