「え、今日は平介もか?」

「うん、ごめんね鈴木。」

いつもと違った。今日は平介も佐藤と同じ道に行くようだった。

「母さんに頼まれてね…」

「あ、ああ…なら仕方ねえな、じゃあな。」

「じゃあね、鈴木!」

「また明日。」

佐藤と平介とはまた珍しい組み合わせだなと思った。あいつらはどんな会話をするんだろうか。しかし、とても、気になった…―






鈴木と分かれてから、俺と平介はとある廃墟を目指した。その廃墟は自殺の名所として有名な場所だった。

「佐藤、大丈夫?」

「大丈夫、まだね。」

「ほぼ毎日通っときながら、何で飲まないの?」

俺は言葉に詰まった。

「鈴木?」

平介はいつもとは違う鋭い眼光で俺を見つめ言い放った。

「…!?」

「だと思いましたよ、前までは普通に飲んでたのにさ、最近は全く飲まない。それって、鈴木のこと好きになってからでしょ。」

いつものんびりしている平介だが、時々こうやって的を得た問い掛けをしてくる。

「鈴木に恋して、辛くなったの?」

「平介…」



「佐藤や俺が…






人を襲って、血を飲んだりする吸血鬼だということが。」

真っ赤な夕日が漆黒の夜空に変わる瞬間だった。






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