(!)キモい佐藤がいます。
「trick or treat!鈴木!」
「うるさい」
只今鈴木絶賛不機嫌中。
漢字だけで表せる鈴木の今の状況。まあ何で不機嫌なのかは、俺が原因なんだけれども。
「まだ怒ってんの、鈴木…?」
「知らねえ…」
「ねぇ…鈴木…」
原因は俺。
何故かと言うと、平介から貰ったお菓子を全て食べてしまったからだ。
平介はまた作るよ、と泣きそうな鈴木に言ったが、鈴木は俺を一睨みすると拳で腹を殴られた。
「悪かったよ…平介のお菓子食べちゃってさ…」
「反省してるように見えねえ。」
さっきから俺を見ず、手元の宿題にペンを走らせる鈴木。ああ、何かゾクゾクした。
「ごめんね、鈴木。」
まじで怒った鈴木、チョーかわいい!つか何だろうこのゾクゾク!もっと冷たい事言ってくれないかな…て、俺ってMかよ。
「…もっと謝らないと許さねえ。」
あ、少し顔が柔らかくなった。
「ごめんね、鈴木。大好きだから、もう許してください。」
大好き、の言葉に鈴木の頬が真っ赤になった。
鈴木に怒られるのも悪くないけど、やっぱ、俺のせいで顔を真っ赤にさせる鈴木のほうが好きだな。
「…鈴木、ごめん…愛し」
「も、もういいって!バカ!黙れ!」
「何、顔赤くしてるの鈴木?大丈夫?」
とぼけて見せれば、鈴木はまた軽く睨んできて腹を殴られた。
「と…おあ…と…い………」
「え。何?」
「と、とtrick or treat…」
「…………」
さっきより真っ赤に照れた顔で「trick or treat」と言った鈴木にいたずらをするのは数秒後の話。
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