(!)「赤で愛を歌う(前編)」の続き。
「今日どこ行きたい?」
「どこでもいい。」
さっきからそんな会話が続く。
鈴木はとくにどこに行きたいとかはなかった。ただ、佐藤とドライブ出来ればそれでよかった。
「えーないの?」
「だから、ねぇって言ってんだろ...
お前の行きたいとこでいいって。」
「じゃ..ホテル..「一回黙れ。」
(さっきからアクセルを押すだけ。
そして、時々、愛しい人の横顔を見つめてみる。)
(確かに安全運転。
しかし、静かすぎてつまらない。
...ああ、ドライブじゃなくて、ただのデートがよかったかもな。)
すると、いきなり体が前に向いた。
そして、車が止まった。
前方は赤信号。
「っ!!お前っちゃんと運転しろ...っ」
佐藤の方へ向くと、目の前に顔があって、唇を塞がれた。
彼の右手は、ハンドル。
左手は、顎を掴んでた。
そして、青信号。
背後から、後ろの車のクラクションが鳴り響く。
「...もう青信号か...」
そう呟いて、アクセルを踏む。
赤信号から青信号の変わる速さは、とても早かった。
もっと君を味わっていたかった、と。
end
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