(!)暴力・流血表現有り
   浮気性持ちの鈴木。成人設定。
   全体的にキャラ崩壊。黒佐藤。








高校時代から付き合っている鈴木が、また浮気をした。それも、相手は元同級生のやつだ。それも、俺の知り合いだ。

「また浮気をした」ということは、鈴木は再犯ということだ。
付き合って数年が経つが、数えきれないほどの浮気をされている。あのクールな見た目からは想像のつかない尻軽だ。


「また浮気したの…鈴木…」


浮気をしたかの見分け方は簡単なものだ。
鈴木は、わざと浮気相手にキスマークを付けさせて、それを気にせずに俺に見せつけてくる。


「ん?………あ、これか……」


また今回も会社から遅い帰宅の後、着替えている鈴木の首筋、背中には数ヶ所のキスマーク。


「………」


俺はこの止まることのない、止める気のなさそうな裏切りに怒りでいっぱいだった。


「高校ん時のアイツに久しぶりに会って、アイツの家で軽く飲んでたら、まあ…成り行きでな…佐藤、ごめッ「パシンッ!!!!」


何かが破裂したようなそんな激しい音が響き渡る。
鈴木は目を見開いて、今の状況を飲み込めないままでいた。

鈴木の頬に感じるこの痛み。
そして、目の前で無表情に降り下ろされた佐藤の右腕。

すると、佐藤はその場に鈴木を蹴り倒した。
ガタンッと激しい音共に倒れた鈴木は背中の激痛に顔を歪めた。

倒れた鈴木の上に佐藤は跨がって、また右腕が上に構えられていた。


「さ!!佐藤!!やめッン!!「パシンッ!バチン!」


右手は鈴木の頬を打ち、そして、左頬に向かってもう一度降り下ろされた。

鈴木は痛みに涙を浮かべていた。


「…鈴木、もう一回言ってくれねぇかな?誰と、何したか、を。」

「い、いや!!…ごめ、ごめんッ「ガッ!」

次降りかかったのは、拳。それも顔面に。
鈴木の口の中は何処かが切れたようで歯に大量の血が付着していた。
鼻からも血が垂れた。


「もっかい言うけど…誰に、何された…?」


今までに聞いたことのないような低音の声。


「っぐン…ひッ!!……は、は……」

「早く言えよッッ!!!!」

「っ!!!!!?」


胸ぐらを捕まれて、また平手打ちが飛んできた。
逃げようとしても、佐藤に乗られたままでは逃げようもない。


「っひく…こ、高校の゛時の…ダチと……酔っだ、勢いで……」

「何したんだ?」

「っ……寝た……っぐぐ!!!?」


突然、佐藤の手が鈴木の首を絞めた。それも、殺す勢いが有りそうな程の力で。


「っく…かは!……っっ〜!!」


叫びたくとも叫べない。
気道をおもいっきり絞められている。

目の前にある佐藤の顔は、一言で怒りだ。
見下す目は怒り、奥は軽蔑の視線さえ感じる。

感じる、佐藤は………


俺を……………………




殺す気だ………………。




「んくっは…!」


酸素を求める金魚のように口をパクパク開くことしかできない。
口端からは血混じりの涎が垂れ、鼻血は固まりつつある、目からは涙が流れ、それも軽く白目を剥きつつある。

瞬間。
佐藤は我に戻った。


「っ!?……す!鈴木!!」


絞めていた手を離して、鈴木の体を抱き寄せる。


「あ、あぁ…鈴木!……ごめんっ!やり過ぎた……」


佐藤から滲み出ていた殺意は消えて、いつもの佐藤に戻った。

鈴木はフルフルと小刻みに体を震わせて、自分の抱く佐藤の背中にゆっくりと手を回す。


「っ…大丈夫、か…鈴木……?」

「はぁ、はぁ…っく、大丈夫……」


佐藤は、良かった、と再び強く抱き寄せてくれた。
戻った佐藤への安心感と、自分の犯した罪への罪悪感で子供のように泣いてしまった。


「うわぁああん!!!!!…ご、ごめんなざぁあいい!!!」


涙を流す俺の背中を優しく擦る佐藤。

その擦る手には、殴った際に飛んだ血がびっしりと付いていた。
鈴木の肩に顔を埋める佐藤の表情は、殺意に満ちた表情のままだった。





end






(元キョーケンの血が怒りを引き金に騒ぎ出しました。次に浮気されたら、鈴木をどうしちゃうだろう…なんて続きませんね。)







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