母上様へ





「母さん、おはよう。」


「あら、珍しいわね。
 早起きだなんて今日は嵐かしら。」


「俺だって起きるときは起きますよ…。」


味噌汁の匂いに、まな板の上で包丁を叩く音、朝日のほのかな温もり。
平介は静かにダイニングテーブルに腰を下ろして、用意されていたコーヒーを飲む。


「今日は何かあるのかしらね。」


「んー?……えーとっ……」


平介は何か言おうとすることをはぶらかしながらコーヒーをまた口に含んだ。

母は怪しそうに「ふーん…」と味噌汁をお椀に注いだ。


「平介、お味噌汁とご飯を運んでくれるかしら?」


「わかりましたー」


と、キッチンへお盆と一緒に向かった。










「…母さん。」


「何。」






「いつも、ありがとうございます」


「え…」


振り向くと、真っ赤なカーネーションが目の中に広がった。


「ま、こんな俺ですが、これからもよろしくお願いします…」


カーネーションを差し出した平介が深々と頭を下げた。







「……ふっ」


平介が頭を上げると、いつもはそんなに笑わない母が、目を細めて優しく笑っていた。

真っ赤なカーネーションの上で微笑む母の顔はいつも以上に綺麗だった。





「ありがとうね、平介。」





そういって、自分より背の高くなった息子の頭を撫でた。



end





――――キリトリ――――


一日遅れの母の日。
平介の母上は結構好き
ですw

私は母にあんまり何も
してなi((






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