(!)佐藤がいまだキョウケン設定。
鈴木は、現国の授業を片耳で聞きながら、ふと窓の外を見つめた。
すると、裏庭の焼却炉の隣で人影を見つけた。少し傷を負った佐藤だった。
さしずめ檻の中の野良犬か
授業終了の鐘と共に鈴木は教室を飛び出した。
そして、土足のままに裏庭にはへ足を向けた。
焼却炉が見えて、少し息を切らしながら、ゆっくりと焼却炉の裏を見た。
佐藤の姿に一瞬、胸をドキリとさせて、目の前に座った。佐藤は眠っている。
頬や手に、少し擦り傷を見つけて、溜息をつく。
今回もまた勝ち戦のようで、欝すら笑いながら寝ている。
「ったく…」
佐藤のレアな寝顔に胸をときめかせながら、ポケットにいれていたハンカチを手にとる。
そして、そのハンカチを佐藤の右腕の擦り傷に宛がった。
「ん……す、ずき…?」
傷に触れた瞬間に、佐藤が目を覚ました。
「おはよ…キョーケン。」
なんて呼ぶと、佐藤は苦笑を浮かべた。
「今日も派手にしたのか?」
「今日はそんなにだよ〜相手の歯を2本折ったくらいだよ。」
だいぶ派手にしたんだな…、と呆れ顔で呟く。
佐藤は鈴木の呟きに枯れた笑い声を浮かべた。
「相手はこないだ佐藤がボッコボコにした〇〇高校か?」
「違うよ、〇〇高校の前にボコった××高校だよ〜」
「どんだけ喧嘩売ってんだよ…」
「売ってるんじゃなくて、売られるの!っ痛!」
「ばーか」
頬の傷をハンカチで拭いながら、痛みに唸る佐藤を罵った。
「…はいよ、オワリ。じゃあ、そろそろ帰るから…あんまりやりすぎんなよ…」
と、立ち上がった。
しかし、立ち上がった鈴木の腕を佐藤が掴んだ。
そして、バランスを崩した鈴木が佐藤の胸の中に落ちた。
「っ…な、だよ!佐藤!//」
すると、佐藤は優しく笑って、鈴木の髪を手ですくった。
「っ//」
「…疲れたなぁ、癒してよ…鈴木?」
そう言って、鈴木を強く抱いた。
鈴木は首元に感じる暖かい佐藤の息に、体中が熱くなるのを感じた。
この犬は気分で、側にいたり、いなくなったりする気分屋な野良犬。
しかし、この野良犬もやっぱり、飼い主がいないとダメな野良犬だった。
「…温かいね、鈴木。」
「どーも……//」
「…うふふー」
「キモ」
「最近の鈴木は、平介だけじゃなくて、俺にも酷いよね〜」
「ふんっ」
キンコーンカンコーン…
次の授業は、なんだっけ?
えっと…OCだっけ…
やっばい!早く行かなく…
「鈴木ーもうめんどくさいからサボろ…?」
佐藤の甘い吐息。
鈴木の脳内は、佐藤に制服されてしまった。
コクリと頷く飼い主に野良犬は笑った。
end
――――キリトリ――――
シリアスにしようかな
と思っていたら、甘甘
になっていった。プギャ
佐鈴は悶える//
お題提供『joy』
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