(!)甘甘な佐鈴。
ロミオとジュリエット
明日はテスト。
鈴木はさっきから英語の文章に書き込みを入れつつ、色ペンで文章を長く引く。
そんな作業を繰り返し書き込む。
今日は学校で平介に泣きつかれて、佐藤も一緒に三人で勉強をした。
しかし、
途中で(平介が)「眠い」だの「お菓子を食べながら休憩しよう」だのと甘いことをタラタラというもんだから、鈴木はイライラを爆発させた。
「お前なんかもう一回2年生しとけ。」
と、言い残して教室を出て行ってやった。
時計をちらっと見ると、もう夜中のてっぺんを指している。
眠気と疲れが体中を支配する。
「(この文を訳したら寝よ…)」
と、頭の中で呟いてペンを走らせた。
平介は悪い奴ではない。
しかし、あのいい加減で中途半端な性格は昔からイライラする。
「(ちっ…この訳わかんねぇ)」
ペンが止まる。
そして、イライラしている証拠に指で机を小刻みに叩いた。
すると、机の隣にある窓から小さな音が聞こえた。
『コンコン…』
窓の方へ顔を向ける。
『コンコン…』
鈴木は恐怖心を心の奥に押し込めて、カーテンに手をかけた。
ごくり、と喉の音が厭に耳に響く。
そして、カーテンをおもいっきり開くと、
「…す……あけ……」
そこには見知れた友達の一人、佐藤がいた。
鈴木は佐藤の姿に唖然と数秒間見つめて、すぐに我に返り「ちっ」と舌打ちをして、窓の鍵に手をかけた。
「っ佐藤!!何で、お前っ…」
「こんばんわ、鈴木。」
ここは2階だぞ!!と、叫ぶと佐藤は下を向いて、あははと笑ってみせた。
佐藤の右手は窓枠を強く掴み、左手で壁の凹みに手をかけた。
足も壁の凹みにかけていた。
「っなんで、お前…」
「だって鈴木、途中で帰っちゃったでしょ?」
佐藤はシュンと淋しげな表情を浮かべた。
「鈴木は急に怒って帰るし。あの後、平介は半泣きでさぁ…慰めながら帰ったんだよ?家に帰って、鈴木に電話しても電源切られてたし…」
鈴木は携帯を取り出した。
ディスプレイは真っ暗のまま。
「切ったまま忘れてた…」
「心配するじゃん〜」
「ご、ごめ…」
鈴木は少し動揺しながら、今にも泣きそうな表情で携帯を強く握っていた。
「っ!!、急にごめんね…」
「う、ううん…ちょ、と…安心してさ…」
「えっ?」
怖かったなんて言えない。
恥ずかしくて。
「…佐藤…」
「何?……っ!!」
佐藤の体に鈴木が抱き着いてきた。
「うぉっ!!?」
驚いて落ちそうになった。
しかし、何とか窓枠を腕で掴み、助かった。
「…鈴木っ?」
「バカ…そして、ごめん…」
いつもとは違う鈴木の甘い声に顔を真っ赤にさせる佐藤。
「ま…よかった…俺こそ何かごめんね?」
「いいよ…」
「そういう優しい佐藤が好きだ…」
佐藤は突然の鈴木の告白に、目を白黒させた。
「えっぁ…い、今のって…//」
「は…?」
鈴木の鈍感な告白は、佐藤の心をドキドキとさせた。
鈴木の頭の上にはハテナマークが浮かんでいる。
佐藤は意味を察し、ドキドキとした心を落ち着けようと息を吐いた。
そして、ニコリと笑った。
「いや、何でもないよ。」
「変な奴っ」
と、くすりと鈴木は笑った。
「じゃ…そろそろ帰るね。」
佐藤は、飛び降りようとした。
「待って…!!」
鈴木の両手が佐藤の頬に触れた。
そして、佐藤の唇に自分の唇を合わせた。
ゆっくりと唇を離して鈴木は呟いた。
「貴方はどうして鈴木なの?」
禁じられた恋。
end
――――キリトリ――――
禁じられた恋=同性愛
みたいな?
最近の時代は徐々に同
性愛が認められてる感
じですけどね。
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