(!)イヅルが苦手なローズとローズを殺したい程に愛してるイヅルのお話。
   キャラ崩壊と捏造が酷い。






「隊長、僕と死んでください。」

突然の心中願望を告白されたところで「はい」なんて答えられるはずがない。イヅルはいつもこの告白から始める。

「イヅル、いい加減にやめてくれないかい、それ。」
「僕は思ったままのことを告白しているだけです。なので、早く僕と死ぬか殺されて下さい。」

等々殺害願望まで語る始末。
少し前まではイヅルのこの発言に怯えていたが、イヅルは告白するだけで行動を起こさないと知った最近では軽く流す程度で聞いている。

「僕はイヅルと死ぬたくないし殺されたくないよ。そんなこといいから、早くこの資料を真子のところに持っていってくれ。」
「思うままのことを告白しているのに···隊長はいつも軽く流すばかり···」

そう寂しいそうに呟きながら隊主室から資料片手に出ていくイヅル。

彼がどうしてこんなにも僕に執着しているかというと。
イヅルは前隊長の市丸ギンへ好意を向けていたようだ。しかし、市丸には想い人がおり、自分には敵わないと知りながら市丸を一途に想っていたらしい。しかし、瀞霊廷全体を巻き込む裏切りを果たし、最後には殺されるということで死んだ市丸。イヅルは死んだ市丸を未だに想い、その想いは強くなり、いつしか歪み、何故か僕に向けられていた。

結果、僕は市丸の変わりに想われているだけ。

心中や殺人願望といった歪んだ国には嫌気が差すが、イヅルには同情しており、強く断れない。
そこが僕の駄目なところであり、イヅルを諦めされることができないとこなんだよね。



「隊長、僕のこと嫌いなんですか。」

それは突然のことだった。
目の前の資料の内容が頭から吹っ飛んでしまった。

「…唐突にどうしたんだい、イヅル。」
「いつも僕の事を避けるからです。」

今更、なんて言葉が浮かんだが、イヅルの性格上その言葉を言えば、侘助を向けく可能性を考え飲み込む。

「別に避けているわけではないよ。隊長と副隊長としての距離感を置いているからだ。」
「こんなに隊長の事が好きなのに。」
「それでも、僕達は隊長と副隊長までの関係だ。」
「…」

そうすると、イヅルは黙って資料に手を伸ばして、仕分けの作業に戻った。
ここからではイヅルの表情が覗えないが、いつも通りの手際に息を吐いて、もう一度資料の内容を頭に叩き込む。



その夜は満月だった。
寝間着に身を包んで、隊主室の縁側で満月を見つめる。
何百回何千回と見てきた満月だがやはり美しいものだ。
しかし、今日の月はどこか濁って見える。

「隊長。」

か細い声に振り向くと、死覇装を着たままのイヅルの姿があった。
イヅルは下を向いたままで影で表情が覗えない。

「イヅル、どうしたんだい。」
「隊長…隊長…」

ふとイヅルは顔を上げた。その瞬間、僕はゾッとした。
イヅルの顔は血に濡れており、まるで般若のような顔だった。

「イ、ヅル…」
「どれだけ、どれだけ…気を紛らす為に虚を斬ったところで、貴方への思いを断ち切れないんです…斬った虚でさえ貴方に見間違えるほどに…」
「…」
「隊長…すみません…」

謝罪の言葉を吐いた瞬間、僕の目の前には刃。鈍い音が響いた。
刃、元い、侘助は縁側に木を抉った。
僕は本能に従って瞬歩で後ろへ下がって身を避けた。

「なんで…」
「隊長、後生です…僕の為に死んでください。」




end


(一旦、一旦ね。)



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