(!)楼イヅで捏造死ネタ。原作設定捏造あり。
苦手な方は回れ右。
「イ、ヅル…」
心臓が止まるかと思った。
次には吐き気がこみ上げた。
それはとても静かな知らせで、自然な行為のようにも感じられた。
イヅルの、霊圧が消えた···。
イヅル、イヅル、と心の中で呼んでみても、霊圧は揺らぐことなく沈黙していた。
「嘘だって、言ってくれないか…イヅル…」
イヅルの霊圧だけではない。
この瞬間にも僕の部下の霊圧がどんどん無くなっていくのを感じた。
一人、また一人、二人、三人…消えていく。
無表情を装う裏で僕の心は鳴き叫んでいた。
「ローズ。」
「…あれ?真子。」
呼ばれて振り返ると、五番隊隊長、平子真子が立っていた。
「…どうしたんだい、こんな所で。」
「それはこっちの台詞や、ボケ。」
罵声を漏らすが、その声には全く覇気がなかった。
そして、真子の表情はまるで哀れむような悲しい顔だった。
なんで、そんな顔をしているの。
「…お前こそ、何でこんな所に…。」
真子の言うこんな所というのは、死臭漂うこの救護詰所の一室のこと。
治療の甲斐なく亡くなった死神たちが一時置かれる一室。
「…ああ、なんかね、ここにいると…みんなにまた会える気がしてね…。」
今回の戦いで沢山の犠牲者がでた、そしてこの場所に並べられた死体も相当な数だ。
まだ人の形を保っているだけましだ。一部の骨しか残らなかった者や、何も残らず消えたものさえいた。
「真子、」
「何や?」
「…僕に、頑張れと言ってくれないかい?」
「…頑張れ。」
「じゃあ、大丈夫、と言ってくれ。」
「大丈夫や。」
目の前に広がる死に僕は一人じゃ立ち向かえない。
真子がここに来てくれてよかった。
真子の言葉で、僕は心を保っていられた。
「じゃあ、愛してる…て、言ってみてくれないかい?」
「…は?」
真子は、ぽかんとした顔で僕を見た。
「…」
「…頼むよ。」
「気持ち悪いなぁ…」
「真子、」
「はぁ…しゃーないなァ…愛しとる…。」
呆れた調子で放たれた言葉は、さっきまでと違い心の中に波紋が広がった。
「…イ、ヅル…」
『鳳橋隊長。』
「イ、ィ…イヅル…」
『ちゃんと仕事して下さい。』
「あぁ…行かないで、くれ…」
『…隊長、愛してます。』
「…ッ!」
凛とした声が脳天を貫いた。
「…ローズ、お前…。」
気がつくと目からは止めどなく涙が溢れていた。
「あぁ…イヅル…」
彼が、イヅルがやはり僕の中で特別な存在であったことを思い出される。
僕の部下であり、大切な仲間であり、恋人であった彼。
イヅル、イヅル、イヅル…。
「…バカやな、お前。」
真子はまた呆れたように笑い、僕の肩に手を置いた。
イヅルがいたから僕は再び隊長に戻ってこれた。
イヅルがいたから僕は戦えた。
君が、大好きなのに。
『さようなら。』
end
(久しぶりの投稿で乱文が凄い。
勝手に死ネタにしてごめんね、イヅル!
つか…原作…イヅルは…?
く、久保先生ェ……←)
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