(!)現パロで監禁もの。一部転生表現あり。
両思いで病甘い系。
「おはようございます、真子。」
閉められたカーテンの間から漏れる朝日。
眠気を覚ます淹れたてのコーヒーの匂い。
俺の大好きなジャズの曲が流れていて、その傍らでテレビが流れる。
俺はベッドから立ち上がって、食卓に座ろうと椅子に手を伸ばす。
しかし、俺の手は椅子を掴むことなく、力なく落ちる。
掴めないのではない、掴むことが許されていないのだ。
俺の行動範囲は、ベッドの上とベッドの周りの数メートル、それだけ。
そして、その自由を奪うのは、俺の左足につけられたこの枷のせい
「真子、ベッドに座ってください。私が食べさせてあげますから。」
こんなことをした当の本人、藍染は俺が言う通りにベッドに座ると、満足そうに微笑んだ。
なぜ、こんなことになったのか。
俺は、1年前まで駅近くの中古レコード屋で働いていた。
駅近くといっても、裏通りの人があまり来ない場所の店で、お客なんてほんと限られたものだった。
ある日のことだった。
店の扉が開くのを感じて『いらっしゃいませ〜』と言うと、そこには見知った顔があった。
『お久しぶりです、平子先輩。』
平子先輩と呼ぶのは、大学時代に同じ学部で1つ下の後輩、藍染だった。
見た目は全く変わっておらず、俺は一瞬にして藍染だとわかった。
『惣右介、久しぶりやな。元気しとったか?』
『ええ、平子先輩もお変わりない様子で。』
『そうか?』
『しかし、髪…切られたんですね。』
そういえばと、大学時代は腰程に長く髪を伸ばしていたことを思い出した。
『まあ、卒業して気分転換でな。似合うやろ?おかっぱ。』
『そうですね、先輩はいつもおしゃれで、何でもお似合いになりますよ。』
『は、どうだかな、お前はいつも何考えてるかわからんやつやったから、今の言葉もほんとのことかわかったもんやないな。』
そう笑うと、藍染は一瞬真顔になった。
『本当のことですよ。』
藍染の真顔は恐ろしいものがあった。
大学時代、同級の喜助の知り合いということで藍染と知り合いになってから、大学ではよく藍染を連れ回していた。藍染は嫌とも言わないので、俺はいつもどんなとこもこいつを連れて行った。
→
prev next