(!)軍人パロ。設定があやふや。
「平子大佐、お早うございます。」
「おはようさん、朝からご苦労やな。」
部下からの堅い挨拶を飄々と返しながら欠伸を一つ零す。
大佐という地位となり、部下も増え、地位からの役職も増え、とても忙しい日々を送っていた。
今日もまた重苦しい廊下を歩き、山本大将の部屋を目指す。
最近は戦争という戦争がなく、あるとすれば毎日何回も起こる国民の一揆等を抑えること。国の情勢も思わしくない日々。俺は廊下の窓から街を見ていた。
「お早うございます、平子大佐。」
低い声が耳に響く。視線を動かせば、制服をきっちり着こなした眼鏡の青年が立っていた。
「おはようさん、朝からご苦労やな。」
さっき部下に言った言葉を繰り返す。
その青年は敬礼を崩さず、小さく微笑んだ。
見たことない奴やな、なんて考えながら山本大将の部屋へ進む。
「今度、新しく人を迎える事になった。」
第一声。山本大将は顔の皮膚をピクリとも動かさずに言い放った。
「何やのそれ、聞いてへんで。」
「だから今言ったんじゃ。」
「あーそうでっか···」
少し不満気に言い返すと山本大将は眉を潜めたので、俺はこほんっと咳を零して改めた。
「で、誰なんですか、新しい人っちゅーんわ。」
「第十地区からやってきた藍染惣右介中佐じゃ。」
「藍染、惣右介?中佐ってことは、俺より下か。」
「まあそうじゃな、しかしとても優秀な奴じゃと聞いておる。平子、おぬしも会ったじゃろ?」
「は?」
「さっき廊下で擦れ違わなかったか?」
ふと、きっちりと制服を着こなし綺麗な敬礼をした眼鏡の青年を思い出す。
「ああ、あいつが···」
「そうじゃ、一応、おぬしの隊に所属する手配となっておる。」
「は?!いきなりなんやねん!それに俺んとこにはすでに中佐が···」
「そやつなら、藍染と入れ替えで藍染が元いた地区に異動となった。」
「何やと···」
突然の変化の多さに言葉を失う。元いた中佐はとてもよく働いてくれ、とても気に入っていた人材なのに、突然異動なんて。
しかし、山本大将が決定したことなのだし、意見したところで何も変わらないことは分かっていた。
「···わかりました···山本大将···。」
静かに応を言い、その部屋から出ていった。
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