病原体とバカ







花井は体の調子に違和感を感じた。
部活ではいつもならしんどくないのに、頭に鈍痛が走ったり、体中が痛い。


そういえば、最近学校で「インフルエンザ」という厄介な病気が流行っていた。



そして、ある日の部活終了後のこと。


「あー頭痛てぇ...」


「花井、お前まさか、インフルエンザか?」


頭を押さえて苦痛の表情の隣で、泉が嫌気な顔で花井を見た。


「うー...かもな。」


「まじかよ。さっさと家帰れ。俺にうつすなよ。」


泉は心配という意味じゃなく、うつすなという否定の意味で言い放った。


「...じゃあ帰るよ...誰か日誌書いたから、モモカンに渡しといてくれ。」


「じゃ、俺が!大丈夫か、花井?」


水谷が日誌を受け取り、心配そうに聞いた。
花井は「大丈夫だ。」と一言だけ言い残し、早めに家に帰った。






家に着くと、母に言って病院に向かった。
検査結果は、インフルエンザ。

次の日は勿論学校は休んだ。



午後9時ベッドで横になっていると、携帯から着信メロディが。


「...誰だよ...」


だるい体を起こして携帯を開くと。画面には、田島。


「...あれ、田島?」

そして、着信ボタンを押した。


「...田島、何?」


「花井...大丈夫か?」


田島の声はいつもよりトーンの下がった声だ。花井は少し驚いた。

花井と田島は、付き合っている。
もう付き合って、三ヶ月になる。


「心配してくれんのか?ありがとな。
俺は大丈夫だから、お前も気をつけろ..」



「花井、俺今...花井ん家の前にいるんだ...」



花井はその言葉に慌てて近くのカーテンを開けた。

すると、寒空の中で携帯を片手に立っている田島がいた。目線は花井に向いており、寂しげな顔をしていた。


「田島...」


「花井、大丈夫?」


「ああ、今は大丈夫だ...
まだ少し熱があるけど...」


「そっか、あんまり無理すんなよ。
花井のいない学校なんか楽しくない。」


そう言って、今にも泣きそうな顔で花井を見つめていた。
花井は田島の発言と表情に、少し心が跳ねた。


「馬鹿だな...しょうがないだろ。
インフルエンザという凄い菌にかかってしまったんだからな。」


「...俺、その菌が羨ましいな。」


「は?」


田島は下を向いた。
そうして、顔を上げたと思ったら。



「だって、花井の近くにいれるじゃん。花井の中にさ。」


そんなことを言い放つと、顔を赤らめた。
花井は田島の発言に言葉が出ずに、口をパクパクさせた。


「た...田島っ!!//」


「っ早く!!元気になれよっハゲ!!//」


田島は携帯通話の切るボタンを押して、走っていってしまった。

花井は愛しい後ろ姿を消えるまで見つめ続けた。





―…あんのバカ。



右耳に付けていた携帯を下ろして、微笑みながら呟いた。

走っていく田島の後ろ姿を、今からでもおもいっきり走って抱きしめたい。

すると花井は、体の熱さを感じた。熱が上がったんだ。



そうして花井は「あの天然発言はずっと覚えていよう」、そう思ってベッドに横になった。






数日後、インフルエンザは治り学校へ行った。
学校に着くと、一目散に田島の所へ向かった。


そうして、逃げる田島を捕まえて、「可愛かったよ、田島」と耳元で囁いたそうな。




end










―――キリトリ―――


いつも終わり方が
わかんない(゚Д゚)

その後、花井は田
島を美味しく食べ
たそうなww(笑)







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