(!)原作に沿わない阿三出会い小説。
  作者の妄想によって出来た作品。












午後六時五分。
あの人の姿を見つけた。







Goodbye...again








満員電車の中に、黒髪でたれ目が印象のあの人を見つけた。

自分から離れてる距離は、約三メートル。
近いようで、遠いあの人。



あの人は、俺の事を知らない。
俺は、あの人の事を知っている。





西浦高校の野球部所属、ポジションはキャッチャー。

何故知っているかと言うと、同じ高校に通っているから。



初めてあの人を知ったのは、高校の入学式。
桜の花が舞い落ちる。


そんな時、玄関でもたもたと自分の靴箱を探していると。




「お前何してんの?」



振り向くと、黒髪にたれ目が印象強い男が立っていた。

俺は戸惑った。
まさか、いきなり話し掛けられたから。



「...靴箱わかんねぇーの?」


焦って何も話せなかった俺を察してくれたのか、的中の答えをくれた。


「う、ん...」


「えっと...何組?」


「...っ九..組」


「名前は?」


「み、三橋...」


「み..み.....あっここじゃね?」



あの人は俺を見ながら、靴箱を指差した。


「あっ!ぁ、りがと...」


「んじゃ。」


「あっ待っ!!!」


「ああ?」



あの時、俺はあの人に一目惚れをしてしまった。

そして、呼び止めたあの人に、今日の全てのエネルギーを使って、聞いた。



「あ、貴方の、名前は?」






あの人は素っ気なく言った。




「阿部隆也、因みに七組。じゃ。」


そうして、廊下を歩いていく。
あの人の足音は、恋の音だった。








現在、俺はまだ再び 阿部くん に話し掛けられてない。

ああ、もうすぐ降車する駅。
阿部くんは、次の駅らしい。


だから、今日も阿部くんに小さな声で、



「Good bye」を言う。
そうして、駅に着き、降りた。

まだ俺は恋の音に気がつかなかった。









すると、恋の音がした。

その恋の音は、まだ気がつかない俺の背後に回って、囁いた。




「おい、三橋"廉"。」


君の声は俺を別れから、出会いに変えた革命。


「あ..阿部くんっ!!?」




真っ赤に驚いた俺の顔を見るなり、笑う阿部くんは、とても素敵だった。



恋の音は、まだ鳴り止まない。




end






――――キリトリ――――

「おお振り」初作品!!
甘甘な感じのつもりで
す...

これからもよろしくお
願います!!





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