(!)軽い鬱小説。意味がわからない文章が乱雑。








「水谷、明日が怖くなったことない?」











栄口は向かい合った机に立て肘を付いて俺に呟いた。
二つの机の上には、古典の教科書とノートが二冊ずつ置いてあり、シャーペンが一本あった。水谷のシャーペンは、机の下に転がっていた。


「え、今何か言った?」


水谷は古典の教科書から目線を外して、栄口の目を見た。
栄口は少し呆れたような表情を浮かべて、もう一度同じ言葉を述べた。


「明日?怖い?」


「思ったことない?」


「つか、何で今、俺にそんなこと聞くの?」


疑問ばかりの会話が続く。
水谷は眉を八の字に曲げて、シャーペンを一瞥する。
不穏な空気が流れてから、栄口は静かに口を開いた。


「怖い、んだ、明日が。」


「怖い…?どうして?」


「明日にはなにもないから。」


意味深な単語が水谷の耳の中で木霊する。
しかし、やはり水谷にはその言葉の憶測まで辿り着けず、黙ることしかできなかった。

栄口は、今度は悲しそうな表情へ変化していた。


「明日にはなにもないってどういうこと?」


「水谷はさぁ、明日になにを思って、感じる?」


夕日が見え隠れするカーテンから、秋を感じさせる冷たい風が流れ込んでくる。
そんな風は、今の不穏な空気を、もっと悲しく重い空気に変える。


「何って、別に何も思わないよ?」


「俺はね、いろんなことを思うよ。
 希望や、幸福、そして不安、絶望、恐怖…様々な感情が俺の中で巡っていく。」


栄口の唇は、寒さに仄かな紫色を浮かばせる。


「その中で、一番大きな感情は、恐怖。」


恐れ。
畏れ。
懼れ。
その中の、恐れ。恐怖という感情。


「明日が…怖いんだ…。苦しくて、悲しくて…そんな感情たちが大きくなりすぎて、恐怖を蘇らせた。俺は…俺は、怖いよ。」


苦しそうな言葉を喉から搾り出して、震える肩と唇。
両手が自らの肩を抱く姿は、いつもの栄口とは全く違う弱々しい、と言うか、哀れとさえ感じるような小さな存在に感じた。またそれが、愛しく感じてしまって、俺は胸にちくちくとする痛みを覚えた。


「栄、口…」


「み、水谷…怖いんだ…ぅ……、怖いッ、ょ…!!」


そうして、栄口の目から涙が溢れて、漏れ出した。
流れ零れていく涙で、古典のノートがふやけていく。

両手で顔を覆う栄口はとても愛らしい。


「怖いんだね?」


「う、ん…ふぐ…」


「ならさぁ、」







『逃げればいいんじゃない?』






「逃げ、る…?」


そう、逃亡。現実逃避ともいう。
俺は目の前の弱々しい栄口を好きになってしまった。
だから、そんな栄口に甘い誘惑をかけてみた。係るかは、知らない。


「一緒に、逃げてみない?」


「一緒に…?」


水谷は「一緒に」という単語を言ってから後悔した。
栄口は驚いた表情を浮かべた後に、苦しそうに水谷の手を掴んだ。

そして、とても救われたような表情に変化した。


「水谷、ありがとう。」


そうして、俺たちは逃亡した。現実から。
俺たちが逃亡した後に残ったのは、古典の教科書とノート、そして恐怖。
恐怖のない世界へ。



end



――――キリトリ――――

どうしたんだ、コレ。
意味が不明しぎて、
土下座します。orz




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