恋は酸素みたいに体を蝕んでゆく






「っは……!!」


隣に寝ていた阿部くんがいきなり飛び起きた。
今日は、何日で何曜日なんだろう…。ぼんやり頭の中で回想しながら、阿部くんを見つめた。
阿部は息を少し乱しながら、俺のほうを振り返った。阿部くんの顔は、カーテンからの僅かな太陽の光のせいで真っ暗で見えない。

ただ、上半身には何も身につけていないのが見えた。それが、昨晩の行動を改めて示されているようで、寝ぼけながら体の熱さを感じた。



「…み、はし……」



すると。小さすぎてハッキリは聞こえなかったが、確かに俺の名前を阿部くんが呼んだ。

すると、阿部くんは俺にキスをした。
いつもとは違う、唇を軽く合わせるだけの優しいキス。


「ぁ、べく…?」


「あ、起きてた…のか…」


「うん…」


よく見えなかったが、阿部くんは顔を真っ赤にさせているようだった。
いつもは冷たく、甘えさせてくれない阿部くんの意外な一面に口を軽く開いた。


「…ど、したの…?
 悪い夢でも、見たの…?」


「嗚呼、」


照れた顔から一転。
暗闇の中で一層暗い陰を被る顔。
三橋は眉を下げる。


「…三橋が、いなくなる夢だった。
 他の奴らも…監督も…しのーかも、みんな…いなくなる夢だった…」


少し阿部くんの肩が震えているように見えた。


「阿部く…」


「俺、お前がいないと生きていけないんだ…だから、ずっと一緒にいてくれ…」


嗚呼、初めて阿部くんを愛しく感じた。
愛しい、そして可愛い。


「お、れも、だよっ」


俺は阿部に近づいて、初めて自分から唇を近づけた。
唇を合わせた瞬間、阿部くんは驚いたようで、ビクリと肩が動いた。


「好きだ、よ…あ、べくん…」


「俺も好きだよ…¨廉¨。」


阿部くんは俺の名前を小さくいうと、いつもの激しいキスをしてきた。

その苦しさが、いつもに増して愛を感じるんだ。





end





――――キリトリ――――


今更だけど
三橋お誕生日おめでと

三橋お誕生日記念作品
とか言ってみるよ。
けど…阿部中心ぽくな
っちまったww





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