気づいて。

気づかないで。





、気づいて





「じゃあ、また明日なぁ!」

「バイバイー」

「じゃなぁー」

「お疲れー」


寒い冬の時期。
部活が終わり、それぞれ家路に向かって行く。

「じゃあなぁ!!三橋ぃ!!」

「っバイ、バイ...田島くん。」

田島は三橋に大きく手を振り、走っていった。
遠くから花井の「走ると転ぶぞっ!!」という怒鳴り声が聞こえた。

三橋はそんな声に笑いが零れた。
口から白い息が漏れる。
そして、冬の寒さを改めて感じた。


「(か、えろう。)」

三橋も家路に向かおうと踵返した時、目の前に見覚えのある人物が。


「っあ、阿部くんッ!!?」


「..そんなに驚かなくていいんじゃね...?」

阿部は、三橋の反応に呆れ笑いを浮かべた。
三橋もそんな阿部の様子に、ゆっくりと落ち着いていった。


「お前さぁ、もう帰んだろ?」


「っあ、ぅ、うん!」

「(...俺は..堪えれる..)...じゃあさぁ..途中まで一緒に帰ろうぜ。」

「へっ?い、一緒に?」

「あぁ、お前と話したい事あるしさぁー次の試合の事とか?。」

...阿部くんと、一緒、に帰るなんて、滅多にな、いなぁ。
お、俺も、話してみたい。


「何、百面相してんだ?」

気が付くと、鼻と目の先に阿部の顔が。

「っっ!!?ぅう、おっ!!」


驚いた三橋は後ろに一気に下がった。すると、凍った地面に足を滑らした。



...や、ばっ!





「おいこら、大丈夫か?」



「あ..」

三橋の体は阿部によって守られた。阿部は、投手の命の手を掴まず、腰と肩を掴んで自分に引き寄せていた。


「り..がと...阿部..くん...」

「ったく、お前は〜〜〜ちゃんとしやがれっ!!」


三橋を立たせるウメボシを食らわした。


「うぎゃゃぁ!!!!」

「っあ、あほか!!/」


<...あれ?阿部、くんの顔、少し赤いような...>



<こんのっ馬鹿...心臓が飛び出るかと思った...//>



..気づくなよ、馬鹿。





end






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