warning!!
意味のわからない死ネタ含みの阿三による雛祭りネタ。
縁起が良くないので、無理な方は回れ右。
大丈夫だという方は、どうぞご自由に。
「三橋は、桃の花って好きか?」
桃の花
「...桃、の花...?」
阿部と三橋は、帰りに学校の近くをうろうろしていた。
「そう、桃の花。」
「...好き、かな?」
「じゃあ、アレは?」
阿部が指した先には、家。の中から見える雛人形。そう、今日は女の子の日、雛祭り。
「雛、人形、?」
「うん。」
阿部は無邪気な笑みを浮かべて、三橋に問った。阿部の笑みは、三橋に恐怖を植え付ける。
いつもは見せない表情、いつもはしない行動、いつもは興味のないものを話すこと。不信感。
「...好き、というか、奇麗だ...」
「奇麗、か...」
また、阿部の笑み。
今度は無邪気、というより、嬉しいという感情が読み取れる。
「...三橋、知ってるか?
雛人形ってな、平安時代では、『流し雛』と呼ばれて、穢れ払いとして川に流されていたらしいよ。」
「へ、へぇ...」
阿部は自らの持つ蘊蓄を語らい、三橋の髪を手ですくった。
しかし、髪をすくった手をすぐに引っ込めた。
「...あ、阿部く...」
「三橋を穢した...穢した...」
「...っ?」
「汚い手で...三橋を...穢、した...」
震える両手。動揺する眼。
そして、震える手で自分の顔を覆った。
「...三橋の、穢れは、俺...」
「あ、べくっ」
「俺だから、だから...
...愛しいお前の穢れを流そう...。」
後ろは川。
欄干に凭り掛かり、悶える阿部。
そうして、阿部の手は、欄干の外に広がる川に伸びる。
「っ...!!!っ阿部くんっ!!!!????」
「バシャンッ!!」と、激しい水飛沫が、流れの激しい川に飲み込まれた。
欄干横には、阿部の右足の靴が、側面を下にして倒れていた。
川横に咲いた桃の花は、真っ赤な血の色をしていた。
「...っあ゙あぁああぁああああぁあああぁゔああ!!!!!!!!!!!!」
三橋の穢れは阿部。否、桃の花。
end
――――キリトリ――――
縁起の悪い話ですみま
せん。
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