warning!!

ヤンデレ田島と花井の狂
流血ネタ注意






















好きなんだ





「田島のようすがおかしい?」


水谷の発言に花井はノートに走らせるペンを止めた。


「うん、何か泉から聞いたんだけど、最近元気がなくて、ずっと何かをブツブツ呟いてるんだって。」


「...。」


花井は怪訝な表情を浮かべて、視線を水谷から外して、英語の単語の綴られたノートを見つめる。



実は、田島のようすがおかしい事にはもうとっくに気がついていた。
しかし、二人でいるときはいつものテンションで、あまり気にしていなかった。


でも、最近気にするようになってきた。


「花井さぁー田島と付き合ってんなら、ちゃんと気にしてあげなよ?」

水谷は呆れた表情を浮かべて、予鈴と共に自分の席に戻った。














「...田島。」


「なーに、花井?」


夕暮れの校門で声をかけた。
田島の表情は、確かにどこか窶れたような、疲れたような表情だった。


「お前さぁ、何かあった?」


花井は田島の肩を掴んで、同じ目線に合わせて話かけた。しかし、田島とは目線は交わらない。寧ろ、合わせようとはしていないようにも感じた。


「何もないよ?」


そう言って、一瞬、花井を見たかと思ったらすぐに目線を外して、肩に乗せた腕を掃う。

しかし、花井は田島を逃がさなかった。右手の肘辺りを掴んだ。


「水谷から聞いたんだ、最近お前の様子がおかしいらしいって...」


「...っ」


「この頃、部活が忙しかったり、勉強とかでお前をほって置いたから...田島、正直に言ってみろよ...何があったんだ?」



やはり田島とは目線、視線が交わらない。また合わないのだ。
下を向き、表情のわからない田島の答えを待った。

すると、「くすっ」と小さな笑い声が聞こえた、気がした。



「...花井が...好きなんだ...」

「は?」


田島は、笑っていた。弱々しく。

「好きなんだ、大好きなんだ。愛してる、誰よりも何よりも、愛してる。」



壊れ、た。



「前にな、辞書で調べたら、今の俺の花井への感情は、愛憎って言うみたい。」


花井は何も答えず、唖然と田島の言葉を耳に入れるだけ。


「愛憎なんだ、愛と憎しみ。花井を愛してる、だけど、憎い。憎い、憎い、憎いッ!花井が誰かと話しているだけで、そいつを殺したくなるほど憎くなって、その逆に、話す花井まで憎くなるんだ...」


田島の目は、いかれていた。
もうすでに好きな人を見る目ではない。

ただ何かの獲物を見るような目にも見えた。


「殺したい...殺したい...花井、











 死んでくれる...?」




その言葉が、田島から聞いた最後の言葉。
田島は花井の胸に、カッターを突き刺した。

そして、何度も何度も突き刺した。

どこか遠くで、女子の悲鳴と、仲間の絶叫が聞こえた。



「...好きなんだ、花井。」



消えていく視界の中で、血に塗れた田島が優しく微笑んだ。そして、意識は皆無。





end





――――キリトリ――――


田島と花井の狂愛物語。







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