warning!!
阿部目線。
ベッタベタな甘甘バレンタインネタ(笑)←
キスの味は、チョコ味。
『さっきっ三橋が女子からチョコ貰ってた!!』
...ふーん。
『まじかよ、そりゃ三橋もピッチャーで、あれだけ有名になればなぁ。』
...ふーん。
『いいよなぁー』
『水谷も貰ってただろ。』
『花井だって〜』
花井と水谷の会話なんか、とっくに流して、聞いていない。
教室に谺する声や雑音でさえ、俺の耳には届かない。
ただ耳に響くのは、聞こえもしない、三橋の声。
バレンタインの今日。
朝から女子と男子の笑い声が聞こえた。
俺も一応貰った、が。
あまり嬉しいとは思えない。
どれだけ美味しそうなチョコでさえ、三橋のものでなければ美味しそうに見えないからだ。
帰り道のことだ。
「あっべくんっ!!見て、チョコいっぱいっ//」
そう言って、嬉しそうな笑顔で紙袋いっぱいのチョコを見せてきた。
そして、ひとつの袋を取り出して、中に入っていたチョコを食べた。
俺は、三橋を見たものの何も言わなかった。
特に深い意味はなかったが、どこか不愉快だった。
すると、少し何かを察したのか、三橋の顔から笑顔が消えていった。
「阿部くん、怒っ、てる...?」
「...別に。」
「怒ってる、よね?」
「怒ってねぇって...」
すると、三橋は俺の前に立ちはだかった。
三橋の表情は、少し緊張しているようだが、まっすぐ俺を見つめた。
「阿部くん...コレ...」
そう言って、差し出されたのは、赤い箱。
「何コレ?」
「...開けてみて?」
三橋の顔は少し赤い。
そうして、謎の赤い箱を受け取り、静かに箱を開けてみると。
「...チョコ...?」
そこには、少しいびつなチョコが並んでいた。
「お前、作ったの?」
「えっぅ...」
三橋の指には二つの絆創膏が。
俺が指を見た瞬間に、素早く指を隠した。
しかし、俺は三橋の手を掴んだ。
「っ!!三橋ぃ!!!!」
「ひぃぃ!!!」
「なぁに、怪我してんだよっ!!あれだけ、怪我には気をつけろって...」
「ごっめんなさいっ!!!」
阿部は怒りで顔を歪ませながら、正常を取り留めようと三橋のチョコに手を伸ばして、口に含んだ。
「......美味しい。」
「ひっく...ホント...?」
「っあぁ...美味しいよ...」
「よ...よかったぁっ//」
と、嬉しそうに笑顔を浮かべた。
嗚呼、俺はこの笑顔にいつも許してしまうんだな...。
そう思いながら、三橋の後頭部に手を添えて、引き寄せた。
そして、三橋の唇に自分の唇を重ねた。
三橋は一瞬、驚いたようだが、静かに重ねたままにしていた。
キスの味は、チョコの味。
end
――――キリトリ――――
ただただ普通、ベタな
甘甘な話、のつもりw
バレンタインは友チョコの
みの管理人www
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