Ofuri long novels | ナノ
37
三橋は何をされたのか理解出来てない様子で、ただ固まったまま俺の唇を重ねていた。
酷く冷たい三橋の唇。
悲しくも、ただ俺の中では狂喜の溜め息しか漏れ出さない。
そして、固まったままの三橋の開いたままになっている唇を感じ、開いたところに舌を捩じ込んだ。
「っんん!!!?」
やっと我に帰った三橋は抵抗し始め、俺の肩をおもいっきり押す。
しかし、俺から見れば三橋の力なんて高が知れていた。
血が流れたままの手で三橋の後頭部を押さえつけて深くキスをする。
「んくっ…ゃ……んんっ」
「ん…み、は…んぁ……」
耳に響く水音は互いの体温を上げ、俺の興奮剤になるだけだった。
長いキスの間、そろそろ三橋が苦しそうだと思い、口を離してやると、三橋は小さく「ぷはっ…」と虫の息で声を漏らす。
銀の糸がいやらしく二人の口を繋いでいた。そして、口端から涎を溢して、息を荒くする三橋の姿は、一言、エロかった。
「はぁ…はぁ…はぁ……ん、あべく……」
それに後頭部にべっとりと付いた俺の血も、愛しい三橋に俺の血が付いていると思ったら、まるで所有物のようで独占欲をかきたてられた。
手の痛みなんか忘れて、三橋の意識なんか忘れて、ただ、目の前の三橋を犯したくなった。
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